フェムテックとは
フェムテックとは

フェムテックとは?

意味や商品事例を分かりやすく解説

「フェムテック」とは、生理や更年期症状などの女性特有の健康課題をテクノロジーで解決することを目指す商品・サービスを指します。
SNSの普及などにより女性の悩みについてオープンに話せるようになってきたこと、
また女性の社会進出に伴い不調による経済損失についても注目されていることから、近年フェムテックの重要性が増しています。
本ページでは、フェムテックという言葉の意味や背景、商品事例を分かりやすく解説していきます。

1 フェムテックとは?意味を簡単に解説

「フェムテック」とは、「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語で、女性が抱える身体的・心理的な健康課題に対し、テクノロジーを利用して解決する商品やサービスのことです。
ジャンルは、月経や不妊治療、出産、育児、更年期、婦人科疾患、女性向けケアアイテム、ヘルスリテラシー、セクシャルウェルネスに関わるものなど多岐に渡ります。
また日本では、女性特有のライフステージ、ライフコースにおける健康課題を解決に導くムーブメントを指すことも多くなっています。

フェムテックとは

従来、女性特有の悩みは個人差があり、「誰かに相談することではない」「話しにくいもの・話してはいけないもの」として我慢する女性も多くおり、悩みを共有できる環境や、適切なケアや製品などを知る機会が限られていました。
すべての人が健康で幸せな日々を送れるよう、解決するために何ができるかを考え、解決策を提供するツールが「フェムテック」です。

フェムテックとフェムケアの違い

フェムテックと似た言葉として「フェムケア」がありますが、両者は少し意味合いが異なります。
フェムケアは、女性の心身の健康を支えるより包括的概念で、日常生活をより快適にすることを目的としています。
フェムテックも、最終的な目的はフェムケアと同じですが、テクノロジーを駆使して具体的な問題を解決することに焦点を当てています。
具体的には、先進的なテクノロジーを活用したものをフェムテックと呼び、テクノロジーの活用も含めてその有無を問わず女性特有の健康課題の解決を目指すアイテムやサービスを広くフェムケアと呼ぶ傾向にあります。
フェムケアは、同じ悩みを持つ人のコミュニティなど、交流の機会などによるアプローチも含まれます。
フェムテックとフェムケアは、両者の区別が明確に定義されているわけではないため、フェムテックの商品がフェムケアとして紹介されているケースもあります。

2 近年フェムテックが注目されている理由

フェムテックが注目されている理由には、SNSの普及や女性の社会進出が進んだことで体調不良による経済損失が注目されているといった背景があります。
以前までは、女性特有の健康課題はクローズな場で取り扱われることが多かったですが、フェムテックという言葉が広く知られるようになり、女性の健康課題がオープンに取り扱われることが多くなってきました。

さらに、働き方改革、女性の健康支援、女性活躍などの観点から国も動き出し、政府が2021年6月に閣議決定した基本方針「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2021」と「成長戦略フォローアップ」には、「フェムテックの推進」という文言が初めて盛り込まれ予算措置の対象となりました。
この章では、フェムテックが注目され、浸透しつつある理由を具体的に紹介していきます。

フェムテックが注目される理由

SNSの普及でオープンに話しやすくなった

フェムテックが注目される理由のひとつに、SNSの普及が挙げられます。
女性特有の健康課題は我慢すべきもの、また言いづらい話題として扱われており、多くの人が個人の問題として抱え込んでいたという背景があります。
しかし、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSの普及によって同じ悩みを持つ女性同士が気軽に情報や悩みを共有できるようになり、「私だけじゃなかったんだ」と安心感が広がって女性特有の悩みをオープンに話せるようになりました。
このように、SNSの普及によって女性の悩みについてオープンに話せるようになったことがきっかけで、フェムテック市場の急速な成長につながったと考えられています。

女性特有の体調不良による経済損失

女性の社会進出が進んだ現代において女性特有の体調不良による経済損失の大きさが注目されたことも、近年フェムテックが急成長した理由のひとつです。
経済産業省の報告によると、生理痛や更年期症状など女性特有の健康課題による社会全体の経済損失は合計で約3.4兆円に上ると推測されており(1)、生理痛によるパフォーマンスの低下や、更年期症状による離職などは社会全体で大きな問題と認識されています。
この状況を受けて政府や企業が女性の健康課題解決を経営における重要課題のひとつとして捉えるようになり、フェムテックへの投資や福利厚生としての導入が進んでいきました。

(1)参考:女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について|経済産業省ヘルスケア産業課

導入企業の増加

女性特有の健康課題による離職や経済損失を深刻視した企業が増加したことも、近年フェムテックが注目されている理由のひとつです。
例えば、月経休暇の整備のほかトイレに生理用品を配備する・女性特有の健康相談窓口の設置などを福利厚生として導入している企業があり
ます。
また、SDGs(持続可能な開発目標)の目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標5「ジェンダー平等を実現しよう」への達成目標として、フェムテック導入を進める企業も増加しています。

3 フェムテックで解決できる課題

フェムテックで解決できる課題としては、月経・不妊治療・妊娠出産・更年期障害ほかがあります。
この章では、フェムテックを活用した商品・サービスで解決できる課題を具体的に解説していきます。

フェムテックで解決できる課題

・ 月経(生理)・PMS

フェムテックが課題を低減できる分野のひとつに、月経(生理)やPMSがあります。
月経周期を記録・管理するアプリで生理日や体調を予測したり、吸水ショーツで月経中の不快感を軽減できたりするほか、オンラインで低用量ピルを処方してもらえるサービスもあります。

・ 不妊治療・妊活

フェムテックは、不妊治療や妊活にも活用されています。
基礎体温を管理できるアプリや自宅で検査ができる専用キット、排卵日を予測する妊活ツール、パートナーと情報共有できるアプリなど、不妊治療や妊活に関わるフェムテックの商品やサービスはさまざまなものがあります。
これらのサービスの多くが専門の医療機関と連携している点も、安心できるポイントのひとつ
です。
これまでは通院が必須だった不妊治療が、オンラインなどで専門家のサポートを受けながら行える環境に変わりつつあります。
不妊治療中の負担やストレスを軽減できるという面からみても、フェムテックは大きな役割を果たしています。

・ 妊娠・産後ケア

フェムテックは、妊娠中のつわりや陣痛、産後の授乳、ホルモンバランスの乱れ、メンタル、睡眠不足、尿もれ、骨盤底ケアに関する問題に対しても負担軽減の役割を果たしています。
妊娠中に使えるアプリは豊富にあり、妊娠中の体重管理・胎動を記録できるものや、陣痛カウンター機能が搭載されたものもあります。
なかには、医師や専門家からのメッセージが届いたり、似た状況の女性と交流したりできるコミュニティ機能が付いたアプリもあります。
またアプリのほかには、オンラインで助産師に産後の体調の変化や授乳に関する相談ができるサービスや、心身の変化を知る産後リカバリー支援、仕事と育児の両立支援、助産師のサポート付き産後ケア宿泊施設などさまざまなものがあり、ひとりで抱えず気軽に打ち明けることができます。

このように、フェムテックは出産前後の助けとなり、妊娠・産後の問題に寄り添い解消するものが多くあります。

・ 更年期ケア

フェムテックは、更年期に生じる不調のサポートもしています。
更年期をセルフケアできるアプリでは、ホットフラッシュ(のぼせ)や動悸、こわばりなどの更年期特有の症状をモニタリングし、症状のパターンやその程度を理解することで有効な対策を導き出してくれます。
更年期症状を相談し、薬も処方できるオンライン診療サービスも登場しました。
また同じ悩みを抱えた女性と交流できるコミュニティもあり、ひとりで悩みを抱え込まずに共有することもできます。
更年期症状のひとつである尿漏れを改善するための骨盤底筋トレーニングのサポートや、骨盤底筋を鍛えられるフェムテック商品のほか、フェムゾーンのケア商品やスマート下着、更年期症状の緩和に役立つウェアラブルデバイスなどもあります。

・ 婦人科疾患関連

フェムテックは、子宮筋腫や子宮頸がん、子宮体がん、乳がんといった婦人科系疾患の早期発見から治療後のサポート、不安や悩みを相談できるサービスがあります。
乳がん術後の下着やパッド、不調の原因を把握してアドバイスをするサポートアイテム、婦人科疾患について気軽に相談できるチャットサービスなどがあります。

・ ヘルスリテラシー関連

フェムテックは、ヘルスリテラシーの向上にも活用されています。
女性特有の健康知識をアップデートするためのコンテンツ提供や、女性の健康について学ぶ講座の開講を通して、性差医療や女性の健康に関する正しい情報を学び、活用するための支援をしています。

4 女性のお悩みを解決するフェムテック商品の事例

フェムテック市場の発展により、女性特有の健康課題をケアできるフェムテック商品が年々増加しています。
以下では、フェムテック商品の事例の一部を紹介していきます。

吸水ショーツ

吸水ショーツはテクノロジーにより、経血をより吸収することができる新素材のものが続々と誕生しています。
ナプキンがなくてもショーツが経血を直接吸収してくれるため、ナプキンを使用したときの不快感やムレ、かぶれを気にせず生理期間を快適に過ごすことができます。
また経血が多いときは、ナプキンと組み合わせて使用することで経血漏れを防ぐこともできます。
吸水ショーツは、洗って繰り返し使うことができるため環境にも優しく、経済的です。
近年は高性能な吸水素材を使用したものやムレやかぶれを防ぎやすい素材にこだわった商品も増えています。

月経カップ

月経カップは、シリコン素材のカップを腟内に挿入して経血を直接受け止める生理用品です。
月経カップは経血を腟内で受け止めるため、経血漏れによってショーツが汚れることや経血が出るときの不快感を和らげることができる点が大きなメリットです。
装着方法や装着時の違和感に慣れるまでは少し時間がかかる場合もありますが、洗浄・消毒を行えば再利用ができるため、環境にやさしく経済的です。

月経管理・妊活サポートアプリ

月経管理や妊活サポートができるアプリは、フェムテックの代表的な商品であると言えます。
例えば月経管理アプリでは、生理周期の記録や排卵予測、PMS(月経前症候群)の症状管理など幅広いデータを一元管理することができます。
また妊活アプリでは、基礎体温や体調の変化などを管理し、パートナーや医療機関との情報共有を行うことも可能です。
近年ではAIがユーザーの記録パターンを学習してアドバイスをするアプリもあり、アプリの機能が向上しています。

授乳用吸水ブラジャー

授乳用吸水ブラジャーは、授乳中の母乳漏れを軽減してくれるブラジャーです。
肌触りのよい素材に吸水シートが内蔵されており、別途母乳パッドなどを使わなくても衣服を汚すことなく快適に過ごすことができます。
授乳用吸水ブラジャーのタイプはさまざまなものがあり、授乳しやすい前開きのタイプや、就寝中にも快適に着用できるノンワイヤーのものなど、育児中の女性の負担を減らすことを考えた作りになっています。

骨盤底筋トレーニングアイテム

骨盤底筋トレーニングアイテムは、膀胱や尿道などを支え、生活の質や健康に関わる骨盤底筋のトレーニングで、快適な毎日をサポートするための商品です。
特に、骨盤底筋は身体の深層にあるため、腹筋や腕などとは異なり動きを意識しながらトレーニングすることが難しい筋肉のひとつです。 
そのため、EMS(筋電気刺激)テクノロジーを活用したトレーニング機器が注目されています。
EMSを活用した機器は、骨盤底筋に直接EMSを流すことで筋肉に直接アプローチすることができ、効率的なトレーニングができる点が特長
です。
着用するだけで骨盤底筋のトレーニングができる商品もあり、“ながら”で手軽に使用することができます。

SIXPADの「Perine Fit(ぺリネフィット)」は、座ったままで手軽に骨盤底筋のトレーニングができます。
骨盤底筋へしっかり刺激を届けるために独自開発した「3Dフォルム」の電極形状が股周りに密着し、自力では鍛えづらい骨盤底筋をピンポイントで刺激することが可能です。

Perine Fit

5 まとめ

フェムテックとは、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決することを目指す商品・サービスです。
月経(生理)・妊活・産後・更年期などといった女性の健康課題に対してテクノロジーの力でサポートをし、QOL(生活の質)を向上させる商品やサービスが数多くあり、相談・支援アプリ、吸水ショーツや骨盤底筋トレーニング機器など多岐に渡ります。
女性特有の健康問題に悩んでいる方は、ひとりで我慢せず、ご自身の取り入れやすい商品・サービスから利用してみましょう。
長期間悩んでいたり、日常生活に支障が出るほどつらい症状がある場合は、医療機関を受診することも大切です。