頻尿の原因と対策
頻尿の原因は?
今日からできる3つの対策と受診の目安も詳しく解説
頻尿は「尿が近い」「尿の回数が多い」と感じる症状で、一般的に日中8回以上、夜間2回以上の排尿がある状態を指します。
特に深刻な病気ではないと思っていても、外出先での不安や夜間の睡眠中断など日常生活に支障が出始めると、生活の質を著しく低下させる可能性があるでしょう。
そこで本記事では、頻尿に悩む方に向けて、原因と自分でできる対策、そして泌尿器科を受診する目安や検査・治療法をわかりやすく解説します。
適切な知識と対策によって改善が期待できる症状でもあるため、まずは原因を知り、今日からできるセルフケアを始めてみましょう。
1 頻尿とは?
頻尿とは「尿が近い」「尿の回数が多い」と感じる症状のことです。 健康な成人の排尿回数は1日4〜7回程度であり、日中(朝起きてから夜寝るまで)の排尿回数が8回以上の場合は頻尿の可能性があります。
また、夜間頻尿(夜中に2回以上トイレに起きる状態)は、睡眠の質を低下させ、日中の集中力や体調にも影響を与える可能性があります。
ただし、排尿回数は個人差があり、水分摂取量や体質などにも左右されるため、あくまで目安です。
厚生労働省の2019年の調査によると、頻尿の症状を訴える人の割合は33%で、65歳以上では83.2%に上ります(1)。頻尿は決して珍しい症状ではないことがわかるでしょう。
(1)参考:2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
2 頻尿の主な原因
では、なぜ排尿の回数が増えてしまうのでしょうか。頻尿には、生活習慣から加齢、病気までさまざまな原因が考えられます。 ここでは、主な原因を4つご紹介します。
飲水過多
頻尿のもっともわかりやすい原因の一つが、水分の過剰摂取です。健康や美容のために意識的に多くの水分を摂っている場合、尿量が増えて排尿回数が多くなるのは自然なことでしょう。
しかし、一般的に成人の1日の水分摂取量の目安は1.5〜2L程度とされています。極端に多い場合は量を調整しましょう。
また、コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインや、アルコールには利尿作用があります。これらの飲み物をよく飲む習慣がある方は、頻尿になりやすい傾向があります。
特に夕方以降にカフェインやアルコールを摂取すると、夜間頻尿の原因となることもあるため注意が必要です。普段の水分摂取の内容や時間帯を見直すことで、症状の改善が期待できるでしょう。
過活動膀胱
過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていないにもかかわらず、膀胱が意思とは無関係に収縮してしまう病気です。突然強い尿意(尿意切迫感)を感じ、何度もトイレに行きたくなるのが特徴です。
過活動膀胱は、加齢や神経のトラブルなどが原因と考えられていますが、はっきりとした原因がわからないケースも少なくありません。
日本排尿機能学会の調査によると、20歳以上の11.9%、40歳以上の13.8%が過活動膀胱の症状を持っているとの報告があります(2)。このことからも、頻尿に悩んでいる人が多いことがわかるでしょう。
また、過活動膀胱かどうか確認したい方は、ヘルスケアラボの「過活動膀胱チェック」の活用もおすすめです(3)。
加齢
年齢を重ねることも、頻尿の要因となります。特に女性の場合、加齢や出産によって、膀胱や子宮を支える「骨盤底筋」という筋肉がゆるみやすくなります。
この骨盤底筋がゆるむと、支えている膀胱が下がってきます。膀胱が下がると、尿道をうまく締められなくなり、頻尿や尿もれの症状が出やすくなってしまうのです。
また、加齢に伴い膀胱の弾力性が失われ、溜められる尿の量が減ることも原因の一つです。さらに、夜間に尿の量を調節するホルモンの分泌が減少することも、夜間頻尿につながります。
習慣性・心因性
病気や身体的な問題がないにもかかわらず、トイレの回数が多くなるケースもあります(4)。心配だからという理由で、尿意がなくても早めにトイレに行くことを繰り返していると、「習慣性頻尿」になる可能性があるでしょう。
また、緊張や不安といった精神的なストレスが原因で、頻繁に尿意を感じる状態を「心因性頻尿」と呼びます。大事な会議の前や電車に乗る前など、特定の状況でトイレが近くなるのが特徴です。
心理的要因による頻尿は、日常生活でストレスを軽減することも重要です。適度な運動や趣味の時間を確保するようにしましょう。
3 頻尿を予防・改善!今日からできる対策3選
頻尿の症状は、日常生活の工夫で改善が期待できる場合があります。病院に行く前に、まずは自分でできる対策から試してみるのも一つです。ぜひ参考にしてみてください。
生活習慣を見直す
まず大切なのは、生活習慣を振り返ることです。過剰な水分摂取が原因と考えられる場合は、一度に飲む量を減らし、こまめに水分補給することを心がけましょう。
また、少し尿意を感じてもすぐにトイレへ行かず、5分から10分程度我慢する「膀胱訓練」も有効です。これを繰り返すことで、膀胱に尿を溜められる量を少しずつ増やせるでしょう。
ただし、無理な我慢は膀胱炎のリスクを高める可能性があるため、4時間以上トイレに行くのを我慢するのは避けましょう。
食べ物や飲み物を見直す
食べ物や飲み物を見直すことも、頻尿対策につながります。前述のとおり、カフェインやアルコールは利尿作用を促し、膀胱を刺激するため、摂取量や時間帯に注意が必要です。
夕方以降のコーヒーや紅茶は控える、寝る前のアルコールは避けるといった工夫をしてみましょう。代わりに、ノンカフェインのハーブティーや白湯などを選ぶと、膀胱への刺激を抑えられます。
また、唐辛子などの香辛料や酸味の強い柑橘類、トマトなども膀胱を刺激することがあります。摂りすぎには注意しましょう。
骨盤底筋体操を行う
女性の頻尿改善に効果が期待できるのが、「骨盤底筋体操」です(5)。骨盤底筋は、膀胱や尿道を支え、排尿をコントロールする重要な役割を担っています。この筋肉を鍛えることで、臓器を支え、尿道をしっかり締める力がつき、頻尿や尿もれの改善が期待できます。
骨盤底筋体操は、仰向けに寝て膝を立てた状態で、肛門や膣をきゅっと締める・ゆるめる動作を繰り返すだけの簡単な運動です。入浴中やテレビを見ながらでも手軽に実践できます。
すぐに効果が出るわけではありませんが、毎日コツコツ続けることが大切です。1日10〜20回程度から始めて、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
4 頻尿で受診すべき目安と検査・治療
セルフケアを試しても頻尿が改善しない場合や、症状が気になる場合は、専門医に相談することをおすすめします。 頻尿の裏には、治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。
ここでは、受診の目安をわかりやすく解説します。また、実際に病院で行われる検査や治療も説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
受診すべき症状のサイン
以下のような症状がある場合は、我慢せずに泌尿器科を受診しましょう。
- トイレの回数が多く、仕事や家事など日常生活に支障が出ている
- 夜中に何度もトイレに起きるため、睡眠不足になっている
- 急に我慢できないような強い尿意を感じることがある(尿意切迫感)
- 排尿時に痛みを感じる
- 尿が濁っている、血が混じっている
これらの症状は、膀胱炎などの尿路感染症や、他の病気のサインである可能性が考えられます。特に血尿や排尿時の痛みがある場合は、早めの受診が重要です。
原因がはっきりしない場合でも、専門医の診察を受けることで安心して対策に取り組めるでしょう。
病院での検査・治療の流れ
泌尿器科を受診すると、まずは問診で詳しい症状や生活習慣について確認します。その後、尿検査で炎症や血尿の有無などを調べることが一般的です。
必要に応じて、超音波(エコー)検査で膀胱や腎臓の状態を確認したり、排尿後に膀胱に尿が残っていないか(残尿量)を測定したりします。また、数日間の排尿時間と尿量を記録する「排尿日誌」をつけるよう指示されることもあります。
治療は、原因に応じて行われます。過活動膀胱が原因の場合は、膀胱の異常な収縮を抑える内服薬が処方されることが多いでしょう。生活習慣の指導や骨盤底筋体操といった行動療法と、薬物療法を組み合わせて症状の改善を目指します。
5 頻尿を予防・改善して快適な毎日を
頻尿は、多くの人が経験する身近な症状ですが、生活の質(QOL=Quality of Life)を大きく低下させる原因にもなります。しかし、その原因は一つではなく、生活習慣の見直しやトレーニングで改善できるケースも少なくありません。
「年齢のせいだから」と諦めずに、まずは日々の生活を振り返り、今日からできる対策を試してみてください。水分や食事の摂り方を少し工夫したり、骨盤底筋体操を毎日の習慣に取り入れたりするだけでも、変化を感じられるでしょう。
それでも症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、決して一人で悩まずに泌尿器科へ相談することが大切です。専門医による適切な診断と治療を受けることで、症状が和らぎ、趣味や旅行を心から楽しめる快適な毎日を取り戻せるはずです。
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