腰が痛いときの寝方

腰が痛いときの寝方

腰が痛いときの寝方

痛みを軽減する姿勢や原因を解説

腰が痛いときの寝方は、一般的に「ひざ下にタオルやクッションを入れた仰向けの姿勢」か、
「両ひざの間にタオルやクッションを挟んだ横向きの姿勢」が腰への負担が少なくおすすめです。
本記事では、寝た状態で腰が痛くなる原因を紹介し、腰が痛いときの寝方を解説します。
腰の痛みを軽減する寝方も合わせて紹介していますので、腰の痛みが気になって寝づらい方はぜひご覧くだ
さい。

1 寝た状態で腰が痛くなる原因

寝た状態で腰が痛くなる原因は、「寝方による腰への負担」「寝具の相性」「腰の疾患」などが考えられます。
腰が痛くなる原因が分かると対処のヒントとなるため、まずは下記の原因が該当しないかチェックしてみましょう。

寝た状態で腰が痛くなる原因

寝方による原因

寝た状態で腰が痛くなる原因のなかで、最初に挙げられるのが寝方による腰への負担です。
寝るときの姿勢が悪いと、腰椎のS字カーブ(前弯)が崩れた状態が長時間続き、腰まわりの筋肉・靭帯・椎間板に負荷を増やす要因となり
ます。
例えば、うつ伏せで寝ると腰椎が反り返った状態が続き、椎間関節や周囲組織への負担が増えやすくなります。
また、仰向けに寝る場合でもひざを伸ばした状態が長時間続くと腰の自然な反りが強くなります。
特に、反り腰の方は腰まわりの筋肉が緊張した状態が続くことで腰痛が悪化しやすくなる可能性があります。
寝方そのものが腰痛を生じさせるとは限りませんが、寝るときの姿勢がもとからある腰痛を悪化させたり、腰への負担を増やしたりする原因となることは確かです。

マットレスや枕など寝具との相性

寝具との相性も、寝た状態で腰が痛くなる原因のひとつです。
マットレスや布団が身体に合っていないと就寝中に腰椎の自然なカーブを保ちにくくなり、腰への負担が増加する要因になります。
例えば、マットレスが硬すぎると骨盤や肩が十分に沈み込まず、腰が浮いたような状態になって反りが強くなりやすくなります。
反対にマットレスが柔らかすぎると、体重のかかる骨盤や肩が過度に沈み込むことで、背骨の自然な配列を保ちづらくなり、S字カーブが崩れてしまいます。

また、寝具との相性を考えるうえでは寝返りのしやすさも重要なポイントです。
一般的に、人は就寝中に20〜30回程度寝返りをすると言われており、寝返りをすることで就寝中に同じ部位に圧力がかかり続けないように分散させ、身体の負担を軽減しています。
マットレスが柔らかすぎると身体が沈み込んで寝返りが打ちにくくなり、同じ姿勢が長時間続くことで腰への負担が増加しやすくなります。

枕の高さが合っていない場合も、首から背骨全体のバランスが崩れて腰への影響が出ることがあります。
このようにマットレスや枕など寝具との相性が寝たときに腰が痛くなる原因となる場合があり
ます。

筋肉の疲労・緊張

腰まわりの筋肉の疲労・緊張も就寝中の腰痛の原因になります。
日中の長時間のデスクワークや立ち仕事で腰まわりの筋肉が疲れきったまま就寝すると、筋肉の緊張が残った状態となり、翌朝の腰の重だるさや痛みにつながることがあります。

上記以外の原因には整形外科疾患や内臓疾患が原因のケースもあります。
足のしびれや麻痺、発熱、排尿障害(尿が出ない・我慢できないなど)を伴う腰痛や、安静にしていても改善しない強い痛み、2週間以上続く腰痛、転倒・交通事故など強い外傷後の腰痛の場合は自分では対策ができない可能性があるため、整形外科などの医療機関を早めに受診することをおすすめします。

2 腰が痛いときの寝る姿勢

この章では、腰が痛いときの寝る姿勢を、仰向け・横向き・うつ伏せの3つに分けて解説します。
一般的に、腰への負担が少ない寝方は「ひざ下にクッションを入れた仰向けの姿勢」か、「両ひざの間にクッションを挟んだ横向きで寝る姿勢」
です。
ただし、疾患や痛みの原因によって楽な姿勢は異なるため、痛みが強くならない範囲で楽に眠れる姿勢を探すことが重要です。
一方、うつ伏せで寝る姿勢は腰椎が反り返った状態になるため、腰痛がある方には基本的におすすめできません。
また、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など疾患の種類によっても楽に感じる姿勢が異なるため、一概にこれが正解とは言い切れない部分もあります。
以下では、それぞれの寝る姿勢の特徴と腰への負担を軽減するためのポイントを詳しく解説していきます。

撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー ENA

仰向けに寝る姿勢はひざ下にタオルを挟むと効果的

仰向けに寝る姿勢は、体重を背面全体に分散できるため腰への局所的な負担が少なく、多くの方にとって腰への負担を軽減しやすい姿勢です。
ただし、そのまま仰向けに寝ると腰の自然な反りが強くなりやすく、反り腰の方は腰椎の前弯がさらに強まって腰への負担が大きくなることがあります。
この状態を防ぐためには、ひざの下に丸めたタオルやクッションを置いてひざを軽く曲げた状態にするのが有効です。

仰向け

仰向けのような腰の反りが強くなりやすい姿勢で寝る場合、特に腰部脊柱管狭窄症の方は注意が必要です。
脊柱管狭窄症の方が腰を反らせると脊柱管がさらに狭まって神経が圧迫されるため、仰向けの姿勢で寝て腰が反ると足腰の痛みやしびれが増すことがあります。
仰向けで寝ると足腰の痛みやしびれが強くなる方は、横向き姿勢を試してみると同時に、症状が思うように改善しない場合は整形外科を受診しましょう。

横向きに寝る姿勢はひざの間にクッションを挟むと効果的

横向きに寝る姿勢は腰椎への負担が少なく、腰痛がある方にとっては比較的楽に感じやすい姿勢です。
特に脊柱管狭窄症の方は、腰を丸めた横向き姿勢は脊柱管内の神経への圧迫を軽減でき、痛みやしびれが緩和しやすくなります。

横向き

横向きで寝るときのポイントは、両ひざの間に枕やクッションを挟むことです。
横向きに寝ると、上側の脚が下方向に落ちて股関節がねじれやすくなります。
股関節がねじれると、それに引っ張られるようにして骨盤が傾き、腰椎もねじれて負担がかかる場合があります。
腰椎がねじれた状態が長時間続くことで、腰まわりの筋肉が緊張して腰の痛みにつながる可能性があります。
クッションを両ひざの間に挟むことで上側の脚が落ちるのを防ぎ、股関節・骨盤・腰椎の位置関係が整った状態がキープされやすくなります。

ただし、腰椎椎間板ヘルニアの方は症状の程度や神経の圧迫部位によって楽な姿勢が異なるため、横向きで腰を丸めて寝ても、痛みが改善しないケースもあります。
横向き寝でも腰の痛みが改善しない場合は、一度整形外科を受診してみることをおすすめし
ます。

うつ伏せで寝る姿勢は避けるべき

うつ伏せで寝る姿勢は、腰痛がある方には基本的におすすめできません。
うつ伏せになると腰椎が反りやすくなり、腰椎への負担が増加する可能性があるだけでなく、顔が左右どちらかに向いた状態が続くことで首の骨(頸椎)がねじれた状態が続き、首・肩・背中への負担も強くなります。
また、腹部が沈むことで骨盤が前傾しやすくなり、反り腰の方は特に腰への圧迫が強まりやすい姿勢になります。

うつ伏せ

うつ伏せでしか眠れない場合は、お腹の下に薄いクッションを入れることで腰の反りをやや軽減できます。
また、抱き枕を抱えながら半横向きの姿勢をとることで、少しずつうつ伏せから横向きへシフトしていく方法も負担軽減につながる場合があります。

3 腰の痛みを軽減する寝方

腰が痛いときは寝る姿勢の改善だけでなく、日常の工夫を組み合わせることで就寝中や起床時の腰の痛みをさらに軽減することができる可能性があります。
この章では、就寝前のストレッチ・エクササイズで腰まわりの筋肉をほぐしてから寝ること、身体に合った寝具を選ぶこと、朝の起き上がり方を見直すこと、痛みが強い場合は鎮痛薬を活用することの4つを紹介します。

腰の痛みを軽減する寝方

腰まわりのストレッチやエクササイズを行う

腰まわりの筋肉をほぐすストレッチと体幹を安定させるエクササイズを行うことで、筋肉の緊張が和らぎ、就寝中の腰への負担の軽減が期待できます。
特に効果的なストレッチが、仰向けの状態で片ひざを胸に引き寄せてキープする「ひざ抱えストレッチ」です。
お尻や腰まわりの筋肉を中心にやさしく伸ばすことができます。
左右それぞれ20〜30秒キープを目安に、呼吸を止めずゆっくりと行いましょう。

また、「ヒップリフト」も腰への負担が少ない姿勢で行えるため取り入れやすく、おすすめのエクササイズです。
ヒップリフトは仰向けに寝てひざを立て、お尻をゆっくりと持ち上げてキープする動作で、主に大臀筋・ハムストリングを中心に、体幹・股関節周囲の筋肉を鍛えることができます。
お尻の筋肉(臀筋)は骨盤を支える役割があり、この筋肉が十分に働くことで腰への負担を軽減しやすくなるため、ヒップリフトで臀筋の筋力低下にアプローチすると、骨盤の安定性を高める効果が期待できます。
ゆっくり10〜15回を2~3セット行いましょう。

ストレッチやエクササイズを実践するのにおすすめの時間帯は、入浴後です。
入浴後は、適度に筋肉の温度が高まっているため身体を動かしやすく、ストレッチやエクササイズを無理なく行えます。
ただし、急性期の腰痛(ぎっくり腰直後など)や炎症がある状態でのストレッチやエクササイズは症状を悪化させるリスクがあるため、痛みが強いときは無理に行わないようにしましょう。

身体に合った寝具を選ぶ

腰の痛みを軽減するためには、寝具を見直すことも重要です。
どれだけ寝る姿勢を工夫しても、枕やマットレスが身体に合っていなければ就寝中に腰椎の適切なカーブを保つことができません。
具体的には、マットレスは硬すぎず柔らかすぎず、仰向けに寝たときに腰のくびれ部分が自然に支えられる適度な反発力があるものが理想的
です。
マットレスの種類には「コイルマットレス」と「ウレタンフォームマットレス」があり、ウレタンフォームマットレスでは「N(ニュートン)」という硬さを示す数値が用いられることがあります。
同じ数値のマットレスでもメーカーによって寝心地が全く異なることもあるため、硬さの数値を参考にしつつ、体格やご自身の寝る姿勢を考慮しながら寝心地の良いものを選ぶといいでしょう。
マットレスの硬さは、横向きに寝たときには肩・腰・ひざが一直線になる程度の沈み込みが適切とされています。
仰向けで寝たときは、腰が反っている感覚があまりないものが理想です。
柔らかすぎてお尻が沈み込む感覚があるものは避けましょう。
また、寝返りのしやすさも実際に確認しておきたいポイントのひとつです。

起きる前に筋肉をほぐす

腰が痛いときは、起床時に起き上がるときにも注意が必要です。
朝は、長時間同じ姿勢で寝ていたせいで腰まわりの筋肉が硬くなっているため、勢いよく上体を起こすと腰椎に急激な負荷がかかって痛みが強くなったり、場合によってはぎっくり腰などを誘発したりするリスクが高まります。
朝起き上がる瞬間は腰痛が悪化しやすいタイミングのひとつであるため、焦らずゆっくりと身体を動かすことが大切です。

目が覚めたらすぐに起き上がらず、まずは仰向けのままひざを立てた状態で両ひざをゆっくりと左右に倒す「ひざ倒しストレッチ」を数回行いまし
ょう。
この動作で腰まわりの筋肉がほぐれ、起き上がる際の痛みが和らぎやすくなります。
起き上がるときは、仰向けからいきなり上体を起こすのではなく、まず横向きにゆっくりと身体を回転させ、ベッドや布団の端に手をつきながら上体を起こし、足を床に下ろして座ると腰への負担を抑えやすくなります。
起床前のストレッチと起き上がり方を工夫することで、起き上がる際の腰への負担を軽減することができます。

痛みが強い場合は鎮痛薬を服用する

腰の痛みが強くて眠れない場合は、鎮痛薬を服用することも選択肢のひとつです。
腰の痛みによって夜眠れない状態が続くと身体への負担が大きくなり、睡眠の質の低下につながる可能性があります。
医師や薬剤師に相談のうえ適切に使用することで、痛みを抑えて睡眠をとれる場合があります。
服用する場合は、用法や用量を厳守することはもちろん、一度整形外科などの医療機関を受診し、必要に応じて適切な鎮痛薬を処方してもらうことをおすすめします。

4 まとめ

本記事では、腰が痛いときの寝方と、痛みを軽減するためのポイントについて解説しました。
就寝中の腰の痛みは、寝る姿勢・寝具・腰まわりの筋肉の状態などが絡み合って生じている場合が多いため、まずは痛みの原因を見つけることが大切です。
腰が痛いときの寝方としては、一般的にはひざ下にタオルやクッションを入れた仰向けの姿勢か、両ひざの間にタオルやクッションを挟んだ横向きの姿勢が腰への負担が少なくおすすめです。
うつ伏せは腰が反りやすくなるため、腰痛がある方は避けましょう。
寝具の見直し・ストレッチやエクササイズ・起き上がり方の工夫を組み合わせることで、腰の痛みを和らげながら睡眠の質を高めることができます。
ぜひ参考にしてください。