膝の痛み ストレッチ

膝の痛み ストレッチ

膝の痛み改善に効果的な
ストレッチ4選

寝ながらできるおすすめの方法も紹介

本記事では、膝の痛みを少しでも和らげたい方に向けて、手軽にできて効果的なストレッチを紹介します。
ストレッチや運動を通して膝周りの筋肉の柔軟性を保つことは、膝の痛みの改善につながります。
記事内では、膝が痛む場所に応じて取り入れていただきたいストレッチを紹介していますので、ご自身の膝の痛み方に併せてぜひ取り入れてください。
ただし異常を感じた場合は無理をせず、すぐに医療機関に相談しましょう。

1 膝周りの骨・筋肉の構成

膝周りの骨・筋肉の構成
膝周りの骨・筋肉の構成

膝関節は、大腿骨(太ももの骨)・脛骨(すねの骨)・膝蓋骨(膝のお皿の骨)の3つが中心となって構成されています。
膝関節に付着する主な筋肉は、大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)・ハムストリング(太ももの後面の筋肉)・内転筋(内ももの筋肉)・大腿筋膜張筋(ももの外側の筋肉)・縫工筋(骨盤外側から足の内側にかけてある筋肉)など多くあり、膝の痛みの多くにはこれらの骨や筋肉が関わっています。

膝の骨と骨の間には「軟骨」と呼ばれるクッション性のある組織が存在しており、衝撃を吸収する役割を担っています。
しかし加齢とともに軟骨は摩耗して減少していくため、やがて骨同士が直接ぶつかり合うことで炎症が起き、膝に痛みを感じるようになります。
これは「変形性膝関節症」と呼ばれており、膝痛を起こす原因のひとつです。

また、日頃の運動不足により大腿四頭筋やハムストリングなどの膝周りの筋肉が衰えたり固まったりしてしまうと、膝の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなり、次第に膝の痛みを感じるようになります。

「ランナー膝」や「ジャンパー膝」という言葉があるように、膝の使いすぎも膝の痛みを引き起こす原因となります。
ランナー膝は、走る際に大腿筋膜張筋から続く腸脛靭帯という靭帯が膝の外側の骨と擦れることで、ジャンパー膝は、バレーボールやバスケットボールなどで繰り返しジャンプ動作をすることにより、膝のお皿の下にある膝蓋靭帯が炎症を起こし痛みが生じます。

2 膝痛改善のために効果的なストレッチ4選

膝痛は、軟骨の減少や周りの筋肉の衰え・柔軟性の低下が原因で起こるため、ストレッチで膝周りの筋肉の柔軟性を高めることが重要です。
この章では、膝痛を和らげるのに効果的なストレッチを紹介します。
痛みを感じる箇所ごとにおすすめのストレッチを紹介しているので、ご自身の痛む箇所にあわせてご覧ください。
ただし、膝に強い痛みや異常を感じた場合はすぐに中止し、医療機関に相談してください。

撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー KENTA

■ 膝の内側の痛みを和らげるストレッチ

膝の内側に痛みがある場合は、膝の内側の鵞足(がそく)と呼ばれる部位に炎症が起きる「鵞足炎」の可能性があるため、鵞足に関わりのある半腱様筋・薄筋・縫工筋のストレッチが効果的
です。

  • 1.

    長座の姿勢で座る。

  • 2.

    片方の足を45度程度開き、反対の足を折りたたむ。

  • 3.

    股関節から身体を折りたたむようなイメージで、上体を前に倒す。
    ※開いた方の足の太もも(内側~裏側)が伸びていればOKです。

  • 4.

    2の上体を15~30秒程度キープし、3セットを目安に行う。

■ 膝の外側の痛みを和らげるストレッチ

膝の外側に痛みがある場合は、大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)や腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が原因となる「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」の可能性があるため、大腿筋膜張筋のストレッチをするのがおすすめです。
大腿筋膜張筋は、骨盤の前側から太ももの外側を通り、腸脛靭帯となって膝の外側(脛骨外側顆)に付着する筋肉
です。
大腿筋膜張筋には主に股関節の外転や内旋、膝関節の安定性を高める役割がありますが、大腿筋膜張筋が衰えると腸脛靭帯が引っ張られ、膝の外側に過剰な負担がかかって痛みを引き起こすことがあります。
そのため、膝の外側の痛みを和らげるには、大腿筋膜張筋のストレッチを行い、筋肉や腸脛靭帯の緊張を和らげることが大切です。
特にランニングや長時間の立ち仕事で膝に継続的に負担がかかっていると感じる人は、日常的なケアとして取り入れてみてください。

  • 1.

    横向きで寝た状態から、両手をついて身体を起こす。

  • 2.

    上になった方の足の膝を曲げて、身体の前に置く。

  • 3.

    骨盤は正面に向けたまま、両手両足を支えにして腰を上に持ち上げる。

  • 4.

    3の姿勢から、腰をゆっくりと下ろします。 ※太ももの外側が伸びていればOKです。

  • 5.

    4の状態を15秒キープし、3セットを目安に行う。

■ 膝のこわばりをとるストレッチ

朝起きたときや長時間座ったあとに膝がこわばって動かしにくい場合は、膝周りや足の筋肉・関節が硬くなっている場合があります。
膝がこわばっているときは、特に足首やふくらはぎ、太もも周辺の筋肉が全体的に固まっていることが多く、その影響で脚全体が重だるく感じることもあります。
膝のこわばりを解消するためには、足を内旋・外旋させるストレッチがおすすめです。
このストレッチでは、足首・膝・股関節を連動させて動かすことで、足全体の筋肉と関節のこわばりを和らげ、血流を良くする効果が期待できます。
固まった筋肉を無理に引っ張るのではなく、「揺らす」「回す」といった動きでストレッチができる点が特長で、手軽に取り組むことができるストレッチです。

  • 1.

    仰向けで寝転がり、両足を腰幅程度に開きリラックスする。

  • 2.

    両足のつま先を、股関節から内旋させるようなイメージで内側へ捻る。

  • 3.

    次は、両足のつま先を股関節から大きく外旋させるイメージで外側へ捻る。

  • 4.

    2~3の動きを、ゆっくりとリズムよく30回程度行う。

■ 膝の裏側の痛みを和らげるストレッチ

膝の裏側に痛みを感じる場合は、太ももの裏側にあるハムストリングが硬くなっている可能性があります。
ハムストリングは、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋という3つの筋肉で構成されており、骨盤から膝裏にかけて付着している筋肉です。
ハムストリングが硬くなると、膝裏の筋肉や腱が引っ張られて違和感や痛みを引き起こすことがあります。
また、長時間の座ったままの姿勢や前屈みの作業が続くと、ハムストリングが縮こまり、膝裏に負担をかけやすくなるでしょう。
膝裏の痛みを和らげるには、ハムストリングの柔軟性を高め、筋肉の張りをほぐすストレッチが効果的です。

  • 1.

    仰向けで寝転がり、両手を片方の膝の裏にあてて足を持ち上げます。
    ※持ち上げた方の太ももの裏が伸びていればOKです。
    ※余裕があれば、膝を少しずつ伸ばして太ももの伸びを調整しましょう。

  • 2.

    反対の足も同様に行い、それぞれ15秒キープ×3~4セットを目安に行う。

3 膝の負担を減らすために筋トレも効果的

膝の負担を減らすためには、筋トレで膝周りの筋肉を鍛えることも効果的です。
加齢により減少していく軟骨を増やすことは難しいですが、膝周りの筋肉を鍛えて強くすることで、膝の曲げ伸ばしがスムーズにできるようになり
ます。
特におすすめの筋トレは、「スクワット」です。
スクワットは、大腿四頭筋やハムストリングなどの膝周りの筋肉を総合的に鍛えることができるため、膝の負担を減らす筋トレのなかでも効率良く筋肉を鍛えることができます。

膝の負担を減らすために筋トレも効果的

膝の痛みが強く、スクワットのような全身を使う筋トレが難しい場合は、椅子に座って太ももをあげる「ニーアップ」がおすすめです。
いずれの筋トレも膝周りの筋肉を強化して、膝の負担を減らす効果を期待できます。

筋トレはストレッチと同様にすぐに効果が出るものではないため、無理のない範囲で継続して取り組むことが大切です。

4 まとめ

本記事では、膝の関節や筋肉の構成と痛みの原因から、膝痛の緩和に効果的なストレッチを紹介しました。
ストレッチをすることで、血行促進や筋肉のこわばりの緩和、関節の柔軟性向上を期待でき、痛みを和らげることにつながるため、普段の生活の中で取り入れやすいタイミングで継続的に取り組みましょう。
ただし、無理は禁物です。
強い痛みや異常を感じた場合は、医療機関に相談しましょう。