睡眠の質を上げる方法

睡眠の質を上げる方法

睡眠の質を上げるには?

すぐに実践できる5つの方法を詳しく解説

睡眠は、日中に酷使した脳や身体をしっかり休めて回復させる大切な時間です。
しかし、寝つきが悪い、途中で目が覚めるなど、睡眠の質が下がると疲労回復が十分にできず、心身に不調をきたすこともあります。
本記事では、睡眠の質を上げるためにすぐに実践できる5つの方法を詳しく解説します。
無理なく続けられるコツを知って、毎日の眠りを少しずつ変えていきましょう。
寝ても疲れが取れないと感じている方や朝から元気に活動したい方は、ぜひ最後までお読みください。

1 質の良い睡眠とは?

質の良い睡眠とは、単に長く眠るだけではなく、以下のような状態が整っていることがポイント(1)です。

  • 睡眠と覚醒のサイクルの規則性が確保されている
  • 必要な睡眠時間が確保されて、日中に過度の眠気や意図しない居眠りが生じない
  • 睡眠の安定性が確保されており、中途覚醒が少ない
  • 就寝してから入眠するまでに過度の時間を要しない
  • 寝起きが良好である
  • 睡眠について主観的な満足度が得られている
  • 日中に過度な疲労感がない

質の良い睡眠とは?

これらのポイントを意識することで、自分の眠りがどの程度当てはまっているかを客観的に確認できます。足りない部分がある方は、のちほど紹介する睡眠の質を上げる方法を実践してみてください。

2 睡眠に影響を与える主な要因

睡眠に影響を与える要因はさまざまあります。ここでは、代表的な原因として「閉塞性睡眠時無呼吸」「中途覚醒」「女性ホルモン」の3つを紹介します。
寝つきが悪い、途中で目が覚めやすいなどのお悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。

閉塞性睡眠時無呼吸

睡眠中にいびきや息苦しさを感じる方は、閉塞性睡眠時無呼吸の可能性があります。
閉塞性睡眠時無呼吸は、睡眠中に呼吸が止まり酸欠状態になるため、息苦しくなって眠りが浅くなります。その結果、十分な睡眠時間を確保しても睡眠の質が悪く、昼間に強い眠気を感じやすくなる(2)でしょう。
閉塞性睡眠時無呼吸の原因としては、舌や顎、咽頭周囲の筋力低下に伴って起こることが多いとされています。いびきや窒息感が気になる場合は、専門の医療機関に相談しましょう。

閉塞性睡眠時無呼吸

中途覚醒

眠りの途中で目が覚めてしまう中途覚醒も、睡眠の質を下げる原因のひとつです。中途覚醒があった場合の睡眠の質は、睡眠時間がこま切れになる程度によって異なります(3)
中途覚醒が慢性化すると、疲れが取れにくくなるだけでなく、活力の低下や気分の落ち込みにつながることもあります。日中のパフォーマンスに影響を及ぼさないためにも、起きてしまう原因を知って、なるべく中途覚醒を減らす工夫が必要です。
日中の生活に支障をきたしている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

中途覚醒

女性ホルモン

女性ホルモンの変動も、睡眠不足や睡眠の質の低下に深く関わっています。特に月経、妊娠、育児、閉経などのライフステージでホルモンバランスが変わることで、睡眠に影響が出やすくなります。
実際に41%の女性が、月経に関連して睡眠に変化があると答えたという研究(4)もあります。月経前不眠症では入眠困難や中途覚醒、逆に月経前過眠症では日中の強い眠気が増加するなど、人によってさまざまです。

女性ホルモン

3 睡眠不足・睡眠の質が下がることによる3つのリスク

睡眠不足や睡眠の質の低下は、心身の健康にさまざまな影響を及ぼします。ここでは代表的な以下3つのリスクを解説します。

  • 生活習慣病になりやすい
  • 心の状態が不安定になる
  • 免疫力が低下しやすい

睡眠不足がどのような影響を与えるのか、詳しく知りたい方はチェックしてください。

生活習慣病になりやすい

十分な睡眠が取れないと生活習慣病のリスクが高まります。肥満や高血圧、糖尿病などを引き起こしやすくなるため、十分な睡眠時間の確保に努めましょう。
実際に、睡眠時間が1日5時間未満の人は、5時間以上眠る人に比べて肥満になるリスクが1.13倍になるという研究結果もあります。さらに、メタボリックシンドロームの発症リスクも1.08倍に上昇すると報告されています(5)
健康的な身体を維持するためには、忙しくても質の良い十分な睡眠時間を確保することが大切です。

生活習慣病になりやすい

心の状態が不安定になる

睡眠不足は、心の健康にも大きな影響を与えます。睡眠の質が下がると脳機能が低下し、気分の落ち込みや不安定さを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
米国の研究では、睡眠休養感の低下とうつ病の発症に関連があることが示されています(6)。また日本でも、睡眠休養感が低い人ほど、抑うつの度合いが強い傾向があるという研究結果もあります(7)
心の健康を守るためにも、ただ長く眠るだけでなく、睡眠でしっかりと休養感を得ることを心がけましょう。

心の状態が不安定になる

免疫力が低下しやすい

睡眠不足は免疫力の低下を招き、体調を崩しやすくなります。睡眠には日中の身体の損傷を修復し、免疫機能を維持する役割(8)があります。 
ただし、睡眠が足りない状態が続くと、この機能が十分に働かなくなることも少なくありません。その結果、風邪や感染症にかかりやすくなったり、治りが遅くなったりすることにつながります。
忙しいときほど睡眠を削りがちですが、健康に過ごすためにも睡眠時間を確保することを意識しましょう。

免疫力が低下しやすい

4 【簡単】睡眠の質を上げる5つの方法

忙しい毎日を元気に乗り切るには、質の良い睡眠が欠かせません。ここでは、今日からすぐ実践できる睡眠の質を上げる方法を5つ紹介します。

  • 適度に運動する
  • しっかり朝食を摂る
  • 嗜好品の量・タイミングを見直す
  • 就寝前にリラックスする時間をとる
  • 寝室の環境を整える

睡眠の質を上げて毎日をより元気に過ごすために、ぜひチェックしてみてください。

適度に運動する

睡眠の質を向上させるには、適度な運動を習慣にすることがおすすめです。睡眠は身体活動で消耗した体力を回復する役割を担っており、運動不足だと十分な疲労感が得られず、寝つきが悪くなることがあります。
1日60分程度の身体活動を継続するのが理想ですが、60分未満でも定期的に身体を動かすように意識することが大切(9)です。
ウォーキングやストレッチ、軽めの筋力トレーニングなど、無理なく継続できるものから取り入れてみましょう。

適度に運動する

しっかり朝食を摂る

毎朝しっかり朝食を摂ることも、睡眠の質を高めるためのポイントです。朝食を摂ることで体内時計が整い、一日のリズムがスムーズに回りやすくなります。
朝食を摂らないと体内時計が後退しやすく、寝つきの悪さや睡眠不足につながる可能性があるため、注意が必要です。また、朝食を摂らないことによって睡眠休養感が低下するとの報告(10)もあります。
忙しくて時間がないとしても、朝食は毎日欠かさず食べる習慣をつけましょう。

しっかり朝食を摂る

嗜好品の量・タイミングを見直す

カフェインやお酒、タバコなどの嗜好品は量とタイミングを意識し、就寝前はなるべく控えるようにしましょう。カフェインには覚醒作用や利尿作用があり、眠りを浅くしたり夜中にトイレで起きたりする原因につながります。 
お酒は寝つきを良くするように感じられますが、睡眠後半の質を下げて途中で目が覚めやすくなります。
また、タバコに含まれるニコチンにも覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は避けて、できれば禁煙を目指しましょう。

嗜好品の量・タイミングを見直す

就寝前にリラックスする時間をとる

就寝前にリラックスする時間を持つことで、スムーズな入眠につながります。就寝前1時間は仕事やスマホから離れて、心身をゆるめることを意識しましょう。 
ヨガやストレッチ、深い呼吸、落ち着いた音楽を聴く、アロマを焚くなど、心地良いと感じる方法を取り入れるのがおすすめです。
自分に合ったナイトルーティンを見つけることで、自然に眠りのスイッチが入りやすくなります。質の良い睡眠を手に入れる第一歩として、ぜひ試してみてください。

就寝前にリラックスする時間をとる

寝室の環境を整える

快適に眠るためには、光・温度・音の3つを意識して寝室の環境を整えることが大切です。就寝時は室内照明を弱め、できるだけ暗い部屋で寝るようにしましょう。夏はエアコンで室内を涼しく保ち、冬は18度を下回らないように調整をします。
また、できるだけ静かな環境をつくり、外の騒音が気になる場合は耳栓などを活用しましょう。
そのほか、寝具や枕、パジャマなどを自分に合ったものに見直すのもポイントです。首や肩に負担のない枕、適度な硬さのマットレスや敷き布団を選びましょう。パジャマは肌触りが良く、身体を締めつけないものがおすすめです。

寝室の環境を整える

5 睡眠の質に関するよくある質問

最後に、睡眠の質に関するよくある質問に回答します。最適な睡眠時間や睡眠の質をチェックする方法について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

最適な睡眠時間はどれくらい?

最適な睡眠時間は人によって異なりますが、一般的には6時間以上を目安に十分な睡眠を確保することが大切とされています(11)。活動量や季節、年齢によっても必要な睡眠時間は変わるため、自分にとっての最適な時間を知っておくことがポイントです。
最適な睡眠時間の調べ方としては、1週間ほど目覚ましをかけずに自然に目覚めるまで眠る生活を続けてみましょう。おのずと決まってきた睡眠時間が、自分にとっての理想的な睡眠時間となります。
睡眠時間を調べる際は、厚生労働省が提供している「睡眠チェックシート」(12)を活用するのがおすすめです。ぜひ試してみてください。

最適な睡眠時間はどれくらい?

睡眠の質をチェックする方法は?

毎日をすこやかに過ごすためには、自分の睡眠の状態を振り返り、質を高める習慣を意識することが大切です。
以下の睡眠の5原則(13)を参考にして、自分の眠りをチェックしてみましょう。

  • 1.

    6時間以上を目安に十分な睡眠時間を確保する

  • 2.

    光・温度・音に配慮した、良い睡眠のために環境づくりをする

  • 3.

    適度に運動する・朝食を摂る・寝る前にリラックスして眠りと目覚めにメリハリをつける

  • 4.

    カフェイン・お酒・たばこは控えめにする

  • 5.

    眠れない場合や眠りに不安を覚えたら専門家に相談する

睡眠の質をチェックする方法は?

睡眠時間が足りていない、生活リズムが崩れていると感じる方は、できるところから見直して、質の良い睡眠を目指しましょう。

睡眠の質を上げるストレッチはある?

就寝前に簡単にできるストレッチがあります。睡眠の質を上げたい方におすすめのストレッチを以下の表にまとめました。

睡眠の質を上げるストレッチはある?
背中の筋弛緩法 1.肩甲骨を寄せるように背中に6〜7割の力を入れて10秒キープする
2.一気に身体の力を抜いてリラックスする
上半身全体の筋弛緩法 1.頭の上に腕を伸ばし、全身に6〜7割の力を入れて10秒キープする
2.一気に身体の力を抜いてリラックスする
下半身の筋弛緩法 1.椅子に深く腰かけ、膝をくっつけた状態で両足を持ち上げ、脚をまっすぐ伸ばす
2.足首をまげてふくらはぎが伸びた状態で10秒キープする
3.身体の力を抜いてリラックスする

※筋弛緩法(きんしかんほう)…筋肉を意図的に緊張させたり緩めたりすることで、身体のリラックス状態を作り出す方法

パソコン作業や長時間同じ姿勢で座りっぱなしの状態が続くと、特定の筋肉だけが緊張したままになります。その状態で寝てしまうと疲れが残りやすく、血液循環も良くなりません。 就寝前に少し身体を動かして筋肉をほぐしておくことで、酸素や栄養が全身に行きわたりやすくなります。

6 睡眠の質を向上させて毎日を快適に過ごそう!

本記事では、睡眠の質を向上させるためにすぐに実践できる5つの方法を紹介しました。適度な運動や寝室の環境を整えることなど、小さな習慣の積み重ねが快適な眠りにつながります。
睡眠の質が下がると、生活習慣病のリスクが高まったり、気分が不安定になりやすくなったりするなど、心身へも影響を与えます。できることから取り入れて、心も身体もすこやかに過ごせる毎日を目指しましょう。無理なく続けることが、質の良い睡眠への第一歩です。自分に合った方法を見つけて、心地よい眠りをぜひ習慣にしてみてください。

睡眠の質を向上させて毎日を快適に過ごそう!

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