キューティクルとは

キューティクルとは、髪の最も外側を覆っているうろこ状の層のことです。別名、「毛表皮」や「毛小皮」とも呼ばれています。
キューティクルは髪を守るよろいのような存在で、外部のダメージから髪を保護する役割を果たしています。キューティクルが傷つくと髪内部の水分や栄養が失われ、パサつきや枝毛の原因となります。
キューティクルが整っている髪の特徴

健康な髪では、キューティクルが何層にも重なり隙間なくびっしりと並んでいます。このような髪は、当たった光を効率よく反射するため、自然なツヤと輝きがあることが特徴です。
また、キューティクルが整っている髪は、指通りが良くなめらかな質感を持っています。髪の内部にある栄養素や水分が外部に抜け出すことなく保たれるため、しっとりとしたうるおいがある髪に整うのも大きな特徴でしょう。
いわゆる「天使の輪」ができ、見た目も美しい髪を実現できます。
キューティクルの役割

キューティクルには、髪を健康に保つための重要な役割が2つあります。
- ●髪の内部から栄養素が逃げるのを防ぐ
- ●メデュラやコルテックスを外部の刺激から守る
よろいのような役割を果たしているキューティクルは、髪を保護し、防御する働きをしています。それぞれの働きを詳しく見ていきましょう。
髪の内部から栄養素が逃げるのを防ぐ
キューティクルは、髪の内部から栄養素や水分が抜け出すのを防ぐために必要な組織です。通常は6~8枚のキューティクルが重なって髪の表面を覆っています。
隙間なくキューティクルが並んでいる状態であれば、キューティクルによって栄養素や水分が髪に閉じ込められ、内部から栄養素や水分が抜け出すことができません。
栄養素と水分に満ちた髪は、ツヤがあり指通りも良くしっとりとした状態になります。
メデュラやコルテックスを外部の刺激から守る
もう1つの大事な役割は、キューティクルよりも内側にあるメデュラやコルテックスを外部の刺激から守ることです。髪の中心部にメデュラがあり、それを取り囲むようにコルテックスが存在しています。
コルテックスは髪の85~90%を占める組織で、ここに含まれている水分量が髪の柔軟性や太さに大きく影響します。
メデュラの役割は、はっきりしたことは分かっていません。しかし、メデュラもコルテックスも髪の一部であることから、損傷するとツヤが失われたり、ゴワついたりする原因となります。
キューティクルは、メデュラやコルテックスを外部の刺激から守り、髪の健康を維持する役割を果たしています。
キューティクルが傷んだ髪はどうなる?
キューティクルが傷むと、髪の見た目が悪くなるだけでなく触ったときの感触にも大きな影響を与えます。日常生活で感じる髪のトラブルの多くは、キューティクルの傷みが原因です。
ここからは、キューティクルが傷んだら髪がどのような状態になってしまうのかをご紹介します。
なめらかさを失い指通りが悪くなる
キューティクルが開いたり剥がれたりして損傷すると、指通りが悪くなります。これは、髪の表面のなめらかさが低下してしまうためです。
本来なら規則正しく重なっているキューティクルですが、傷むと表面が凸凹になります。クシでとかそうとするとこの凸凹が引っかかるため、毛流れをスムーズに整えることができません。
切れ毛や枝毛などのトラブルが起こりやすくなる
キューティクルの損傷が進むと、髪を保護する力が低下し、切れ毛や枝毛などのトラブルが起こりやすくなります。切れ毛は髪が途中で切れたもの、枝毛は髪の先端が複数に分かれたり折れたりしたものです。
キューティクルが損傷すると、コルテックス内にある栄養素や水分が抜け出してスカスカになります。よろいの役割をしているキューティクルが剥がれるので、髪のトラブルにつながりやすくなります。
水分保持力の低下による乾燥・パサつき
キューティクルが損傷すると、剥がれたり開いたりしたところから内部の栄養素や水分がどんどん抜け出します。すると、水分を保持する力が低下し、乾燥やパサつきの原因となるので注意が必要です。
栄養素が流出するため、髪の強度や弾力性も低下します。外部からの刺激も受けやすくなるので、髪の乾燥やパサつきがさらに進行しやすくなる悪循環に陥ることも少なくありません。
キューティクルが傷ついてしまう原因

では、なぜキューティクルが傷ついてしまうのでしょうか。できることなら、キューティクルを傷つけずにツヤのある美しい髪を維持したいと考える方がほとんどでしょう。キューティクルが傷つく原因には、主に次の5つがあります。
- ●パーマやカラーリング
- ●ドライヤーやヘアアイロンの熱
- ●摩擦
- ●紫外線
- ●髪の自然乾燥
パーマやカラーリング
パーマやカラーリングは、キューティクルを傷つける大きな原因です。これらの施術は、髪の内部の構造を化学的に変化させます。キューティクルが傷つくのは、パーマやカラーリングの薬剤を髪に浸透させるときにキューティクルが開くためです。
開いたキューティクルがそのまま剥がれ落ちたり浮き上がったりして、ダメージヘアが進行します。キューティクルを傷つけないようにするためには、高頻度でのパーマやカラーリングをやめ、美容師と相談しながら自分の髪質やダメージにあわせた適切な頻度で施術を受けることが大切です。
ドライヤーやヘアアイロンの熱
ドライヤーやヘアアイロンの熱も、キューティクルを傷つける原因となります。髪が高温の状態になると、キューティクルを構成しているタンパク質が変性し、構造が破壊されてしまうためです。
熱によるダメージを最小限に抑えるためには、ドライヤーやヘアアイロンを正しく使う必要があります。
ドライヤーは髪から15cm以上離し、1箇所に熱が集中しないよう左右に振りながら乾かしましょう。ヘアアイロンは120~130度に設定し、長時間同じ部位に当てないようにしてください。
摩擦
髪同士がこすれ合うと、摩擦が生じます。この摩擦もキューティクルを傷つける原因の1つとされています。摩擦によってキューティクルの先端がめくれあがってしまい、剥がれやすくなるのです。
シャンプーやタオルドライをするときにこすらないようにするなど、摩擦をできるだけ発生させないように気をつけましょう。
紫外線
紫外線は肌だけでなく髪にも悪影響をもたらします。紫外線を浴びると、髪の表面にある脂質が損傷し、タンパク質が壊れてキューティクルが剥がれやすくなるのです。
春から夏にかけては特に紫外線が強くなるため、紫外線対策を徹底することが大切です。
外出するときは帽子をかぶる、日焼け止めスプレーを使う、日傘をさすなどの対策を忘れずにしてください。
ただし、秋や冬も紫外線は降り注いでいるので、年間を通じて紫外線対策を心がけましょう。
髪の自然乾燥
髪がぬれていると、キューティクルは開いた状態になります。この状態で長時間過ごしていると、キューティクルが開いたり剥がれたりしやすくなるので要注意です。
洗髪後は自然乾燥せず、必ずドライヤーを使って乾かしましょう。できるだけ髪がぬれたままで放置しないことが大切です。
キューティクルを守るための
正しいヘアケア方法

キューティクルを健康な状態に保つためには、適切なヘアケア方法を実践する必要があります。ここでは、日常生活で簡単に取り入れられるキューティクルを守るための6つの方法を紹介します。
パーマやカラーリングの間隔を空ける
パーマやカラーリングは髪に大きな負担をかけます。キューティクルの損傷を最小限に抑えるためにも、施術間隔を短くしすぎないことが重要です。一般的には、最低でも2カ月の間隔を空けて施術を受けることが推奨されています。
しかし、髪の状態によって適切な施術間隔が変わるため、美容師と相談しながら施術を受けるのがおすすめです。
適度な洗浄力のシャンプーを使う
洗浄力が強すぎるシャンプーは、髪の潤いを保つのに必要な油分まで取り除き、キューティクルを傷める原因となります。髪質に合わせて適切な洗浄力のシャンプーを選びましょう。
キューティクルの傷みが気になる方は、洗浄力がマイルドなアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。
洗髪後はドライヤーでしっかり乾かす
髪はぬれている状態が一番傷みやすいので、洗髪後は早めにドライヤーで乾かすように心がけましょう。
ぬれているときは、キューティクルが開いた状態になっています。自然乾燥するとキューティクルが開いている時間が長く続いて傷みやすくなるので、必ずドライヤーを使いましょう。
ドライヤーをする前にタオルドライで水分を拭き取り、髪から15cm以上離して乾かします。このとき、根元から毛先に向けてドライヤーをあててください。毛先は乾きやすいため、根元から乾かさないと乾燥しやすくなってしまうためです。
仕上げに冷風をあてると、キューティクルがきゅっと引き締まりやすくなります。
適切なブラッシングを行う
キューティクルを保護するためには、正しい方法でのブラッシングが欠かせません。ブラッシングをすると、キューティクルの流れを整えることができます。
まず、毛先からブラシをあててもつれた部分を優しくほぐしてください。毛先がほぐれてきたら、根元にもブラシをあてましょう。このとき、頭皮に強くあてると赤みやかゆみなどの頭皮トラブルを起こすことがあるので気を付けてください。
また、髪がぬれた状態でのブラッシングは、できるだけ避けましょう。髪がぬれているときはキューティクルが開いているため、ブラッシングにより余計にダメージを与えてしまうことになります。
ただし、ダメージが進んでいる髪は、ぬれるとからまりやすくなることも多く、そのままドライヤーをかけると、キューティクルが整いにくくなってしまいます。
ぬれた髪をとかす必要がある場合は、粗めのクシを使い、引っ張らないように優しくとかすのがおすすめです。
トリートメントで保湿する
キューティクルを守るためには、トリートメントを使用して保湿することも重要です。トリートメントは、髪の内部に働きかけてダメージを補修し、キューティクルを整えるアイテムです。
自宅で行うトリートメントは、毎日使用できるものもあります。美容室で行ってもらう場合は、ダメージの度合いによって頻度が異なるので美容師に相談しながらトリートメントをしてもらいましょう。
自分で行う場合は、まず毛先にトリートメントをなじませ、その後に髪の中間部分に塗布し、パッケージに記載の時間どおり放置してすすぎます。
ヘアオイルで髪をコーティングする
ヘアオイルは、髪の表面を保護する働きに優れているアイテムです。熱や紫外線ダメージから髪を守り、キューティクルが傷むのを予防します。
熱ダメージを抑える効果のあるヘアオイルを、ドライヤーの前に使用すると効果的です。
また、スタイリング時に使用することで、髪がまとまりやすくなり、自然なツヤが出ます。髪質が柔らかい方はサラっとした質感のもの、硬くて毛量が多い方はしっとりした質感のものを選ぶと良いでしょう。
キューティクルに関するよくある質問

最後に、キューティクルに関するよくある質問にお答えします。正しいヘアケア方法を身に付けて、美しい髪を手に入れましょう。
キューティクルが剥がれるとどうなりますか?
キューティクルが剥がれると、髪の表面が凸凹になり、手触りが悪くなったりすぐにからまったりするようになります。
また、内部の栄養や水分が失われるので、ツヤも損なわれます。切れ毛や枝毛が増える原因にもなるため、キューティクルが剥がれないように気をつけることが大切です。
髪がぬれるとキューティクルはどうなりますか?
髪がぬれると、キューティクルが柔らかくなって開いてしまいます。その結果、外部からの刺激に弱くなるので注意が必要です。優しくタオルドライをし、ドライヤーで早めに乾かすようにしましょう。
キューティクルは元に戻りますか?
剥がれたキューティクルが自然に再生することはありません。しかし、ヘアオイルやトリートメントなどを使ってダメージを補修するケアを行うと、キューティクルが剥がれた髪を保護することができます。
まとめ

キューティクルとは、髪の表面を覆っているうろこ状の組織のことです。パーマやカラーリング、間違った方法でのドライヤーやヘアアイロンの使用、摩擦や紫外線、髪の自然乾燥などの影響でキューティクルが傷つくと、髪の悩みへとつながってしまいます。
キューティクルを守るために、パーマやカラーリングを適切な頻度で行い、洗髪後は丁寧に乾かすようにしましょう。また、ヘアオイルやトリートメントで、髪を保護したり補修したりするのも効果的です。
キューティクルを傷つけないように日常生活で適切なケアを行い、美しい髪を手に入れましょう。
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