ウルトラファインバブル・ナノバブルとは何か

現代において洗浄技術は常に進化を遂げており、その中でも「ファインバブル」技術は近年大きな注目を集めています。特に洗濯機などの家電製品への応用が進むなか、「ファインバブル」「ウルトラファインバブル」「マイクロバブル」「ナノバブル」などの似た用語も多く、その正確な違いや特長についてよく分からない方も多いでしょう。そこで今回は「ウルトラファインバブル」の解説を中心に、それぞれの違いについて紹介します。
それぞれのバブルの定義

「ファインバブル」は、国際標準化機構(ISO)および日本産業規格(JIS)によって厳密に定義された、気泡径が100µm(マイクロメートル)未満の微細な気泡の総称です。さらにそのファインバブルの中には、2つの分類があります。
ファインバブルの中で、直径が1µm以上100µm未満のものを「マイクロバブル」と呼びます。肉眼では白い濁りとして視認できることがありますが、個々の泡を識別することは困難です。マイクロバブルは比較的ゆっくりと浮上し、しばらくすると消滅する特性があります。
ファインバブルの中で、直径が1µm未満のものを「ウルトラファインバブル」と呼びます。極めて小さい泡のため肉眼では全く見えず、レーザー光照射や専用の計測器を用いることで確認・測定が可能です。ウルトラファインバブルは水中で浮上することなく、良好な保管状況下では1年近く存在し続けることが可能という極めて高い安定性を持っています。
ウルトラファインバブルとナノバブルの違い
「ナノバブル」という用語は、かつてファインバブルを指す言葉として広く使用されていましたが、その気泡のサイズが厳格に定義されていたわけではありませんでした。そこで2017年に国際標準化機構(ISO)によって、気泡サイズも含めた国際規格として「ウルトラファインバブル」が規定されました。以後、1µm未満の気泡の場合は「ナノバブル」ではなく「ウルトラファインバブル」と呼ぶように正式に定義されたのです。
この名称変更の理由としては、そもそも「ナノ」という言葉は10µm以下のサイズを指すものとされており、1µm未満を指す「ウルトラファインバブル」と矛盾していたことが挙げられます。また、国際的な普及を考慮した際、「ナノ」という言葉がヨーロッパなどで「リスク」や「不確定なもの」といったネガティブなイメージを持つ可能性があったことも要因の1つだとされています。
ただ、日本においては、先行して一般化した「ナノバブル」という用語の方が浸透していることもあり、今現在もナノバブルを標榜する製品や案内が存在します。ですが、気泡のサイズが1µm未満であれば「ウルトラファインバブル」が正しい呼称です。確実に信頼できるウルトラファインバブル発生装置を探している場合は、一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)による認証を得たものを選びましょう。
ウルトラファインバブルのここが凄い
ウルトラファインバブルは、肉眼では見えないほどの小さな泡です。この小さな泡が、水中で特別な働きをすることで、汚れを落としやすくする効果が期待できます。
水と混ざりにくい汚れを落とす力:ウルトラファインバブルは、「疎水性相互作用」という性質を持ちます。これにより、水と混ざりにくい性質の汚れにも吸着し、微細な汚れまで効率的に洗い流すことができます。
汚れを引きつける力:ウルトラファインバブルの表面は、電気的にマイナス(-)に帯電しています。一方、皮脂汚れや油汚れなど、多くの汚れはプラス(+)に帯電しているため、マイナスの泡がプラスの汚れを磁石のように引きつけ、吸着します。
こびりついた汚れを剥がす力:ウルトラファインバブルは非常に小さいため、洗う対象物と汚れの間にできたわずかな隙間にも入り込むことができます。そこで、泡がさらに細かくなったり、水中の溶けている気体が増えたりすることで、こびりついた汚れを押し上げるように剥がす効果が期待できます。
洗剤の効果を高める力:洗剤の成分(界面活性剤)がウルトラファインバブルの表面を覆うことで、洗剤が繊維の奥まで届きやすくなり、汚れを効率的に剥がす助けとなります。
ファインバブル発生装置つき洗濯機の4つの効果

ファインバブル発生装置つき洗濯機は、微細な泡の力で汚れを落としやすくするだけでなく、節水や衣類ケアにも役立つ多機能な洗濯機です。ここでは主な4つの効果について詳しくご紹介します。
洗濯物の汚れが落ちやすい
直径が1µm未満であるファインバブルの微細な泡が、洗浄成分をまとって繊維の奥まで入り込み、通常の水では落としにくい皮脂汚れや汗ジミまですっきり落とします。
さらに、ファインバブルの表面がマイナスに帯電していることで、皮脂汚れや汗によるシミなどプラスを帯びている汚れを磁石のように引きつけて吸着し、汚れとともに浮き上がるため、効果的に除去します。
この科学的な洗浄メカニズムにより、従来の洗濯機では落としにくかった頑固な汚れまですっきりと落とせるのです。
節水効果が期待できる
ファインバブルは、節水効果があるのも魅力の一つです。ファインバブルが汚れを効率良く落とすため、従来の洗濯機に比べてすすぎ回数を減らしてもきれいに洗い上がります。
そのため、洗濯時のすすぎの回数が減ることで使う水の量が減り、水道代の節約にもつながるのです。特に大家族や洗濯頻度の高いご家庭では、年間を通じて考えると節水効果が期待できるでしょう。
衣類の洗濯ダメージを軽減させる
ファインバブル発生装置つき洗濯機は、大切な衣類をやさしく洗い上げる点でも優れています。ファインバブルは、少量の洗剤で高い洗浄力を発揮できるため、洗剤による生地への負担を減らせます。
さらに、強くこすらずとも、ファインバブルが洗浄成分をまとって繊維の奥まで浸透して汚れを除去するため、摩擦による生地の傷みを軽減します。そのため、お気に入りの衣類の色落ちや型崩れに配慮したやさしい洗浄で、長期間きれいな状態を保てるのです。
洗濯槽を清潔に保てる
ファインバブル発生装置つき洗濯機は、洗濯槽自体を清潔に保つ効果があります。ファインバブルが洗濯物だけでなく洗濯槽内の汚れも浮かせるため、清潔な環境作りのサポートをしてくれます。
嫌な臭いの原因となる洗濯槽内の汚れにもしっかりとアプローチしてくれるので、定期的な洗濯槽洗浄の手間も軽減でき、家事の時短にもつながるでしょう。
ファインバブルを使った洗濯に効果がないといわれるのはなぜか
ファインバブルの効果を感じられないという場合は、使い方などに原因がある可能性が考えられます。正しく使用することで、本来の効果を実感できるでしょう。
洗濯物をつめ込みすぎている
ファインバブルを使った洗濯機に効果がないと言われている理由の一つとして、洗濯機へ洗濯物をつめ込みすぎていることが挙げられます。洗濯槽にぎっしり洗濯物をつめ込むと、水やファインバブルが洗濯物全体に行き渡らず洗浄力が落ちるため、本来の効果が発揮されない場合があります。
洗濯物の量を洗濯槽に対して6〜7割程度に留めることで、ファインバブルが隅々まで行き渡り、本来の洗浄性能を生かすことができます。
蛇口を中途半端に開けている
ファインバブル発生装置つき洗濯機を使用する際、洗浄効果を十分に発揮するには蛇口の開栓が影響します。
なぜなら、蛇口が中途半端に開いている状態だとファインバブルを発生させるために必要な水圧が確保できず、泡の量や効果が弱くなることがあるからです。
その結果、期待していた洗浄効果が得られず、「ファインバブル洗濯機は効果がない」と、誤解を生む原因となってしまいます。洗濯機を使用する際は、必ず蛇口を全開にして十分な水圧を確保しましょう。
故障している
ファインバブル発生装置つき洗濯機の効果が感じられない場合、機器自体の故障が原因である可能性も考えられます。例えば、ファインバブル発生装置や給水部分に不具合があると、泡が正常に発生せず期待する効果が出ないことも。
また、ファインバブル発生装置は金属製の場合でも、洗濯機側の接続部分は樹脂製のため、無理に締めすぎるとねじ山が破損することがあります。性能を実感できない場合は、故障や破損している箇所がないか今一度確認してみましょう。
外づけ用ファインバブル発生装置を選ぶ際の6つのポイント

外づけ用ファインバブル発生装置を選ぶ際は、効果だけでなく使いやすさやコスト面にも注目することが大切です。購入前にチェックしておきたい6つのポイントをご紹介します。
ファインバブル産業会(FBIA)の認証があるものを選ぶ
ウルトラファインバブル技術はその優れた特性から、洗濯機だけでなくさまざまな製品に応用されています。その信頼性を確保するために、FBIAが製品認証制度を設けており、FBIAによって認証・登録された製品には「製品登録マーク」が表示されています。
ファインバブル発生装置を選ぶ際は、製品のパッケージや説明書、または製品本体にマークが記載されているかを確認してみましょう。また、FBIAの公式ウェブサイトで公開されている「製品認証一覧」または「製品登録一覧」からも確認が可能です。
洗濯機への取りつけが簡単であるか
洗濯機にファインバブル発生装置を選ぶ際は、取りつけが簡易的であるかどうかも選ぶポイントの一つです。複雑な工事や特殊な工具が必要な製品では、導入のハードルが高くなり、せっかく購入しても使い始めるまでに時間がかかってしまいます。
製品によっては、お使いの洗濯機にそのまま取りつけるだけで完了するものもあります。購入を検討する段階で、メーカーの公式サイトや取扱説明書を確認し、取りつけ手順の詳細をチェックすることが大切です。
耐久性があるか
洗濯機は毎日の洗濯で長く使うものだからこそ、素材の耐久性や故障のしにくさも選ぶ際の重要なポイントです。実際に使用しているユーザーの口コミやレビューを参考に、使用感についての情報を収集することも大切です。また、製品によっては購入から1年間など保証期間があるため、万が一の故障に備えて保証についても確認しておきましょう。
メンテナンスがしやすいか
ファインバブル発生装置は、フィルターの掃除や交換が必要な場合があります。メンテナンスが頻繁に必要になると、日々の家事の負担が増えてしまう恐れがあります。そのため、清掃頻度はどれくらいかを事前に製品の公式サイトなどで確認しましょう。購入前には、取扱説明書やメーカー公式サイトで具体的な清掃方法を調べてて、お手入れが簡単かどうか確かめておくことも大切です。
コストパフォーマンスが良いか
コストは本体価格だけでなく、寿命や維持費なども含めて総合的に判断しましょう。長期間使用することを考慮し、初期投資額に加えて、製品の寿命やフィルター交換費用などの維持費まで含めて判断することが大切です。また、電気代や水道代をどのくらい節約できるかは製品によって異なるため、年間でどの程度のコスト削減が期待できるかを事前に計算してみましょう。
自宅の洗濯機に対応しているか
ファインバブル発生装置が、自宅の洗濯機に対応しているかも購入前に確認しておきましょう。洗濯機の機種によっては接続部分の形状が異なり、取りつけが困難な場合もあります。
購入前に、現在お使いの洗濯機との適合性を必ず確かめましょう。不明な点があれば、メーカーのカスタマーサポートに直接問い合わせることで、正確な判断ができるでしょう。
洗濯機にファインバブル発生装置を取りつける際の注意点

ファインバブル発生装置を洗濯機に取りつけるときには、安全に作業するための注意点を事前に確認しておきましょう。
金属製の場合は軍手や布手袋で取りつける
洗濯機にファインバブル発生装置を取りつける際は、手を傷つけないように軍手や布手袋の着用をおすすめします。特に金属製の装置は、接続部分やネジ部分が鋭利になっていることもあるため、素手で作業を行うと思わぬケガを引き起こす可能性があります。安全に作業を進めるためにも、作業開始前に手袋を着用しましょう。
水栓は必ず閉める
ファインバブル発生装置の取りつけ作業を始める前は、水栓をしっかり閉めましょう。もし閉め忘れてしまうと、作業中に水漏れが発生する危険があります。作業開始前には、給水ホース内に残った水も抜いておき、水栓の状態を再確認することが大切です。
ホースを取り外す際はタオルなどを用意する
ファインバブル発生装置の取りつけでホース接続部分を変更する際は、水に濡れないよう事前にタオルや雑巾などを用意しておきましょう。特に洗濯機からホースを外すときには、水栓を閉めていても配管内やホース内に残った少量の水が溢れ出る可能性があります。事前にタオルなどを準備して、床が濡れないようにしましょう。
まとめ

ウルトラファインバブルは、直径が1µm未満の肉眼では見えない泡のことで、かつてはナノバブルとも呼ばれていました。ご自宅にある洗濯機にファインバブル発生装置を取りつけるだけで、洗浄力が上がり、節水の効果や衣類のダメージを防げます。
なお、ファインバブル発生装置の購入後に失敗しないためには、製品の公式サイトなどでメンテナンス頻度や取りつけ方法、コストパフォーマンスなどを事前に調べておくことが大切です。毎日の生活に欠かせない洗濯機、当記事を参考にしながらご家庭に最適な製品を選択しましょう。
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