ヘアアイロンによる温度調整の重要性

ヘアアイロンを使用する際、温度設定は髪の健康を左右する重要な要素の一つです。ヘアアイロンの温度が高すぎたり、低すぎたりすると髪に負担がかかり、大きなダメージを与える可能性があります。1回の使用では目立たない小さなダメージでも、適切でない温度で毎日使用を続けていると、月日が経つうちに深刻なダメージへと進行してしまうことがあるでしょう。
ご自身の髪質やヘアスタイルに応じた適切な温度調整を行うことで、美しいスタイリングと髪の健康維持を両立できるのです。
ヘアアイロンの適切な温度とは

通常、ヘアアイロンを使用する際の推奨温度は120℃~160℃とされていますが、髪質、ヘアスタイル、髪の部位によっても適切なヘアアイロンの温度が異なります。ここでは、それぞれの適正温度について詳しく解説していきます。
髪質による適正温度
髪質によってヘアアイロンの適正温度は大きく異なります。以下の表は、硬さや太さなどの違いによる髪質種類別の適正温度です。
髪質の種類 | 適正温度 |
---|---|
硬くて太い髪質 | 140℃〜160℃ |
やわらかくて細い髪質 | 120℃~140℃ |
硬くて太い髪質の方は、髪の内部構造がしっかりしており熱が伝わりにくいという特徴があるため、140℃〜160℃程度の温度設定が適しています。髪質が硬くて太いと低温ではうまくスタイリングできないことが多く、何度もヘアアイロンを通すことで余計な熱ダメージを与える可能性があります。そのため、少し高めの140℃〜160℃に設定することによって短時間でスタイリングでき、結果的に髪への負担を軽減することが可能です。
また、ヘアカラーやパーマをしたことがなくダメージの少ない髪は、保持している水分量が多いため、セットしづらいケースがあります。この場合は180℃設定でも問題ありませんが、同じ箇所を何度もプレスしたり、アイロン操作がゆっくりになってしまったりするとダメージにつながる場合があるので注意が必要です。
一方、髪質がやわらかくて細い猫っ毛の方は、150℃以下の温度でヘアアイロンを使用するのがおすすめです。髪が細いと熱のダメージを受けやすいため、高温であててしまうと簡単に傷んでしまいます。なるべく低温で使用しながら、髪の健康を保つことが大切です。
ヘアスタイルによる適正温度
つくりたいヘアスタイルによっても、ヘアアイロンの適正温度は変わります。以下の表は、ヘアスタイルの種類ごとの適正温度です。
ヘアスタイルの種類 | 適正温度 |
---|---|
ストレートヘア | 160℃ |
カールヘア | 140℃ |
ストレートヘアをつくりたい場合は、ヘアアイロンの温度を160℃前後に設定するのがおすすめです。髪を真っすぐに伸ばして仕上げる場合は、ヘアアイロンを滑らせるだけなので、比較的高温でもダメージは少ないでしょう。
一方、カールヘアに仕上げたい場合は140℃前後が適切です。髪を巻く際は、ヘアアイロンに髪をあててから3秒〜5秒ほどキープする必要があります。髪へのダメージを少なくするためには、ストレートヘアの適正温度よりも、10℃〜30℃低めに設定しましょう。
髪の部位別による適正温度
髪は、前髪・根元・毛先という部位ごとに傷みにくさが異なります。例えば、「毛先だけブリーチのダメージが残っている」というように、髪の箇所によってダメージの度合いが違うケースもあります。
そのような場合は、髪の部位ごとにヘアアイロンの温度を調整するのが効果的です。以下の表は、髪の部位ごとにおすすめな適正温度です。
部位 | 適正温度 |
---|---|
前髪 | 130℃〜150℃ |
根元 | 140℃〜160℃ |
毛先 | 120℃〜140℃ |
前髪は他の部位よりも髪が薄いため、130℃〜150℃と低い温度でもスタイリングが可能です。クセ毛がある方は150℃から始めて、様子を見ながら温度を調整していきましょう。なお、前髪は顔に一番近い箇所になるため、スタイリングする際はやけどに注意してください。
根元は、前髪や毛先よりも比較的傷みにくいため、少し高い温度でセットしても多少は問題ありません。しかし、セットする際にヘアアイロンと地肌が近くなりやすいため、慣れるまでは低い温度から始めましょう。
毛先に関しては、過去のダメージが蓄積されており、他の部位よりも傷みやすい傾向にあるため、できるだけ低温でセットしましょう。また、何度もヘアアイロンをあて続けると髪が傷むため、短時間で仕上げるのがポイントです。
ヘアアイロンによってなぜ髪がダメージを受けるのか

スタイリングに役立つヘアアイロンですが、設定温度や使い方を誤ると髪のダメージへとつながります。ここからは、ヘアアイロンによる熱や摩擦が髪にどのようなダメージを与えるのか具体的に解説します。
熱によって髪のタンパク質が変性するため

髪がダメージを受ける原因の一つは、熱による髪の主成分の変化にあります。髪の主成分である「ケラチン」というタンパク質は熱に弱く、乾いた状態では約130℃、濡れた状態では約60℃の熱が加わると性質が変わってしまいます。
この仕組みを「熱変性」といい、一度変性したタンパク質は元の状態に戻ることはないため、髪が硬くなったり、パサつきやすくなったりするのです。
摩擦によってダメージを受けるため

ヘアアイロンを髪に何度も滑らせて摩擦が起きることで、髪の表面を守っているキューティクルが剥がれたり、すり減ったりしやすくなります。キューティクルはうろこ状に何枚も重なり合って髪の外側を覆い、表面を保護する役割を果たしています。
このキューティクルが傷つくと髪内部の水分や栄養が逃げやすくなり、パサつきや枝毛、切れ毛といったトラブルの原因となります。
ヘアアイロンによるダメージを減らす3つのコツ

ヘアアイロンによるダメージを減らすために、使用時に意識するポイントを解説します。
濡れた髪には使用しない
ヘアアイロンを使用する際は、髪を完全に乾いた状態にしておくことが重要です。髪が濡れた状態で高温のヘアアイロンを使うと、髪内部の水分が急激に蒸発し、水蒸気爆発を起こすリスクがあります。
水蒸気爆発は髪に深刻なダメージを与え、パサつきやゴワつきの原因となるため、濡れた髪へのヘアアイロンの使用は避けましょう。必ずドライヤーで髪を完全に乾かし、触っても湿り気を感じない状態にしてからヘアアイロンを使用することが大切です。
長時間同じ箇所にあてない
ヘアアイロンを使用する際は、同じ箇所に長くあて続けないようにしましょう。1箇所に長くヘアアイロンをあて続けると、過度に熱が加わってしまい髪が焦げたり、タンパク質が変性したりする可能性があります。
ストレートアイロンの場合は2秒以下、カールアイロンの場合は3〜5秒以下を目安に、一定の速さで滑らせるようにスタイリングすることが大切です。
一度にたくさんの毛束を挟まない
効率的にスタイリングしたいからといって、一度にたくさんの毛束を挟んでしまうのは逆効果です。一度に挟む髪の量が多すぎると毛束の表面にある髪だけが加熱され、内側まで熱が均一に伝わりません。
その結果、何度もヘアアイロンをあて直すことになり、髪のダメージにつながります。一度に挟む適切な毛束の量は、指2〜3本分くらいの幅を目安に少しずつ挟みましょう。
高温に頼らずヘアスタイルをキープするためには

毛流れを整えたり、少ない回数で熱を均一に伝えられるように工夫したりすることで、高すぎない温度のヘアアイロンでもヘアスタイルをキープできます。ここからは、ヘアアイロンでスタイリングする際のおすすめな方法を解説します。
ブラッシングで毛流れを整える
ヘアアイロンを使う前に、しっかりブラッシングして毛流れを整えておくことで、熱が髪全体に伝わりやすくなります。髪がからまっていたり乱れたりしている状態でヘアアイロンを使用すると、一部分だけに熱が集中してしまい、熱が伝わらない箇所ができるため、スタイリングにムラが生じるでしょう。
ブロッキングでヘアアイロンを通しやすくする
ヘアアイロンのスタイリング効果を発揮するためには、ブロッキングを行うことが有効です。ブロッキングとは、髪をいくつかの毛束に分けてそれぞれ留めることです。これによりヘアアイロンが髪に通しやすくなり、低温でも熱を均一に伝えやすくなります。
一般的なブロッキング方法は、髪を上下2段〜3段に分け、さらに左右に分割します。毛量が多い方の場合は、より細かくブロック分けすることでヘアアイロンがあてやすくなり、さらに効果的なスタイリングが可能になります。
ブロッキングした毛束に順番にヘアアイロンを通すことで、低温でも髪全体に熱を均一に伝えることができ、ヘアスタイルの持続性アップにもつながるでしょう。ブロッキングという一手間を加えることで、高温に頼らずヘアスタイルをキープしやすくなるかもしれません。
温度以外でも注意!ヘアアイロンで髪を傷ませない方法

これまでヘアアイロンを適切な温度を調整することで過度なダメージを防ぐ方法などをご紹介しましたが、ここからはヘアアイロンの熱から髪を保護する方法やダメージケアのほか、おすすめのヘアアイロンの素材や使用頻度を解説します。
ヘアアイロンの前に熱を保護するスタイリング剤を使う
ヘアアイロンを使う前に、熱から髪を守ってくれる専用のスタイリング剤を使用しましょう。種類はヘアオイルやヘアミルク、ヘアミストなどがあります。ただし、ヘアアイロンの前に使用するスタイリング剤は、ヘアアイロン用の「キューティクル補修成分」が入っている商品を選びましょう。
具体的には、以下の成分が入っているスタイリング剤の使用がおすすめです。
成分 | 効果 |
---|---|
ヒートプロテクト成分 | ヘアアイロンの高温から髪を保護し、乾燥や切れ毛を防ぐ |
シルクプロテイン | 髪の表面に膜をつくり、構造を強化して熱によるダメージをやわらげる |
加水分解ケラチン |
さらに、スタイリング剤に関して、種類別の効果やおすすめの髪質を以下の表にまとめました。ご自身の髪質や使用感、水分量の少ないスタイリング剤を選びましょう。ヘアミルクやミストは水分量が多いため、アイロン前の使用を推奨されていない商品もあります。水分量の多いスタイリング剤を使用すると、半乾きの状態でアイロンをすることになり、水蒸気爆発のリスクが高まるため気をつけましょう。
スタイリング剤の種類 | 効果 | おすすめの髪質 |
---|---|---|
ヘアオイル | 髪にうるおいを与え、ツヤや濡れ感を出す |
・髪の広がりを抑えたい方 ・髪が太く硬い方 |
ヘアミルク | 髪を保湿し、乾燥やダメージを補修する |
・髪がダメージによりパサついている方 ・細くやわらかい髪質の方 |
ヘアミスト | 髪をさらっとまとめ、うるおいを与えつつ保護膜をつくる |
・細くて乾燥している髪質の方 |
定期的にトリートメントでケアする
ヘアアイロンを使用する場合、事前の対策だけでなく日常的なヘアケアも大切です。トリートメントは、髪の表面をコーティングするコンディショナーとは異なり、髪内部へ栄養成分を浸透させることで、内側からダメージをケアする役割があります。
傷ついたキューティクルの隙間から栄養成分が浸透し、髪の内部構造を補修する効果があるので、髪の傷みを防ぐため定期的にトリートメントでケアを行いましょう。トリートメントの選び方は、以下の表にある髪の悩みやそれに合わせたおすすめの成分を参考にしてください。
髪の悩み | 成分 | 効果 |
---|---|---|
ダメージが強い方 (カラー・パーマ・ブリーチによる) |
【剛毛の方に有効】 ・加水分解コラーゲン ・CMC類似補修成分 【軟毛の方に有効】 ・ヘマチン ・アミノ酸 ・加水分解ケラチン |
キューティクルを整えて、髪の内部を補修する |
パサつきが気になる方 |
・ヒアルロン酸 ・セラミド |
毛を乾燥から守り、しっとりとした質感へ導く |
髪のゴワつき、広がり |
・シリコン |
髪をコーティングして、指通りをよくしたり、ツヤ感を出したりする |
スタイリングしながら補修をしたい方 |
・グリオキシル酸 |
ヘアアイロンなどの熱に反応して、ダメージを補修する |
なお、トリートメントはそれぞれ商品の注意事項を確認し、週1回〜2回を目安に使用するのがおすすめです。
傷みにくいヘアアイロンを使う
ヘアアイロンによる髪への摩擦の大きさは、髪を挟むプレートの素材によって大きく変わります。髪へのダメージを抑えるためにも、できるだけ摩擦の小さい素材のプレートを使ったヘアアイロンを選ぶことが大切です。ヘアアイロンに使われる主なプレートの種類は、セラミック、チタニウム、テフロンの3つで、それぞれの特徴は以下の通りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
セラミック | 丈夫でコーティングが長持ち。髪を滑らせやすく、使い心地もなめらか。ただし、他の素材と比べると摩擦が大きい |
チタニウム | 摩擦を抑えて、髪への負担をやさしく軽減する |
テフロン | 耐久性は比較的劣るが、摩擦が少なく髪への負担を軽減できる |
そのほかにも、「リファ」が独自開発した「カーボンレイヤープレート」は、プロが行うダメージ軽減を再現したプレートです。高密度炭素・ヒーター・低反発コートの3層構造で、水分・熱・圧による髪のダメージを抑え、ツヤのある髪へと導きます。
ヘアアイロンの使用頻度を減らす
髪への負担を減らすためには、できるだけ使用頻度を減らすことも大切です。適切なケアを行っていても、毎日ヘアアイロンを使用することで徐々にダメージが蓄積されていきます。
そのため、ヘアアイロンをなるべく毎日使用しないように、シャワー後はしっかりとドライヤーで乾かして寝癖を抑えたり、朝は前髪だけヘアアイロンを使ったりするなど、最小限に減らす工夫をすると良いでしょう。
ヘアアイロンを使わない日をつくったり、セットしやすい髪型に工夫したりして、髪を休ませる時間をしっかり取るようにしてください。
まとめ

ヘアアイロンの適切な温度は、髪質やスタイリング、髪の部位ごとに異なり、髪を傷ませないために温度を調整することが大切です。
ただ、適正温度を守るだけでなく、濡れた髪への使用を避けたり、長時間同じ箇所にあてたりしないといった基本的な使用方法を日頃から意識することも重要です。
さらに、熱から保護してくれる効果のあるスタイリング剤の使用や定期的なトリートメント、髪にやさしいプレート素材を使ったヘアアイロンを選ぶなど、プラスのケアを心がけることで、ダメージを最小限に抑えることも可能です。
ご自身の髪の悩みやライフスタイルに合わせて、適切なケアを行いながら、健康的な美髪を目指しましょう。
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