肩甲骨はがし

疲労回復

肩甲骨はがしとは?

肩こりを緩和するためのストレッチのやり方を紹介

「肩甲骨はがし」とは、肩甲骨の動きをスムーズにすることで辛い肩こりを緩和する施術やストレッチのことを指します。
本記事では、肩甲骨はがしとは何かを解説したあと、肩甲骨周りで固まりやすい筋肉、
セルフで取り組める肩甲骨はがしのストレッチ方法を紹介していきます。
肩甲骨の柔軟性をセルフチェックするための方法も紹介していますので、肩こりに悩む方はぜひ最後までご覧ください。

1 「肩甲骨はがし」とは?

肩甲骨はがしとは、肩甲骨周りの筋肉や関節などをほぐして肩甲骨の動きをスムーズにすることを目的とした施術やセルフケア方法のことで、「硬くなった肩甲骨周りをはがすようなイメージでほぐす」という意味合いから肩甲骨はがしという名前がついたと言われてい
ます。
肩甲骨を動かさないと、周りの筋肉や関節などの結合組織が硬くなり、腕が上がりづらくなって身体の動きに制限がかかる、肩こりが生じるなど、不調の原因になります。
肩甲骨はがしは、これらの動きの制限や肩こりを解消・予防するための効果的な方法のひとつとして、古くから一般的なセルフケア方法として用いられています。

肩甲骨はがしとは

特にデスクワーク中心の生活だと、肩甲骨をはじめとして肩周りを動かす機会が少なくなりがち
です。
肩こりが気になる方は、肩甲骨はがしで肩周りの筋肉をしっかりほぐして快適に過ごせるようにしましょう。

2 肩甲骨まわりでこり固まりやすい筋肉

肩甲骨周りには10種類以上の筋肉がありますが、特にこり固まりやすい筋肉は「僧帽筋」「菱形筋」「肩甲挙筋」の3つです。
重要な筋肉を意識してより効果的に肩甲骨はがしができるよう、まずはこれらの筋肉の位置や役割を把握しましょう。

腸腰筋の構成と役割

僧帽筋(そうぼうきん)

僧帽筋は、首の付け根と肩から背中にかけて位置する、肩周りの筋肉のなかでは大きな筋肉
です。
僧帽筋の部位によって役割やこり固まったときの症状が異なるため、上部・中部・下部に分けて紹介します。

僧帽筋上部

首の付け根から肩に位置する筋肉が僧帽筋上部です。
僧帽筋上部は両手を上げる(肩甲骨の上方回旋)・肩をすぼめる(肩甲骨の挙上)・首を動かす(頸椎の屈曲・伸展・側屈)などの動きを担っています。
僧帽筋上部がこり固まると、肩こり・首こりからくる頭痛(特に後頭部から側頭部にかけての痛み)が発生しやすくなるほか、首の付け根から肩にかけて重だるく感じたり、首を動かすときに痛みが生じたりすることもあります。

僧帽筋中部

肩の上部から脇の位置の高さまで、背中を横切るように位置する筋肉が僧帽筋中部です。
僧帽筋中部は、肩甲骨を脊柱に向かって引き寄せる(肩甲骨の内転)・胸を張る(脊椎の伸展)などの動きを担っています。
僧帽筋中部がこり固まると、背中全体に重だるさや痛みを感じることがあります。
肩甲骨の内側に痛みやこりを感じる場合も、僧帽筋中部がこり固まっている可能性が高いと言えます。
また、僧帽筋中部がこり固まると肩が胸側にすぼむような姿勢になりやすいため、猫背の原因になる場合もあり
ます。

僧帽筋下部

脇の位置から下の部分に位置する筋肉が僧帽筋下部
です。
僧帽筋下部は、肩を下ろす(肩甲骨の下制)・両手を上げる(肩甲骨の挙上)などの動きを担っています。
僧帽筋下部がこり固まると、肩甲骨下部や背中に重だるさや痛みを感じたり、手を伸ばして物を取るときに痛みを感じたりすることがあります。

菱形筋

菱形筋は背中の上部、肩甲骨の内側から脊柱(背骨)の間にかけて位置する筋肉で、その名の通り菱形の形をしています。
菱形筋は大菱形筋と小菱形筋の2つの部位に分けられ、小菱形筋は上部に位置し、大菱形筋はその下に位置しています。
菱形筋の役割は、肩甲骨を寄せる(肩甲骨の内転)・肩を挙げる(肩甲骨の挙上)・背中に手を回す(肩甲骨の下方回旋)だけでなく、僧帽筋と共に肩甲骨や脊椎の安定性を高める役割も担っています。
菱形筋がこり固まると、肩甲骨の内側に痛みや張りを感じるほか、猫背などの悪い姿勢につながります。

肩甲挙筋

肩甲挙筋は、首と肩甲骨を結ぶ筋肉です。
肩をすぼめる(肩甲骨の挙上)動きのほか、首を側方に傾ける動き(側屈)を担っています。
また肩甲挙筋は頸椎の安定性を高める役割も担っており、頭部や首の安定性にも関与してい
ます。
肩甲挙筋がこり固まると、首の付け根から肩にかけて痛みや張りを感じることがあります。
首を回す・かしげるときに痛みが出る場合は、肩甲挙筋がこり固まっている場合が多いです。

3 自分でできる肩甲骨はがしのストレッチ方法

この章では、肩こりを緩和する肩甲骨はがしのストレッチ方法を紹介します。
特別な器具は不要で、セルフで手軽にできる肩甲骨はがしの方法を紹介しますので、肩こりに悩んでいる人はぜひ実践してみましょう。
ストレッチをする際は、どこを伸ばしているかを意識しながら一つひとつの動きをゆっくりと丁寧に行い、より効果的にストレッチをできるようにしましょう。
痛みや痺れなどを感じた場合は無理に伸ばそうとせず、ストレッチを中止して医師に相談してください。

撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー KENTA

■ 立った状態でもできる肩甲骨はがしのストレッチ

立った状態でもできる肩甲骨はがしのストレッチとして、こり固まりやすい僧帽筋・肩甲挙筋にアプローチできるストレッチをご紹介します。
このストレッチは、肩甲骨の内転・下制・上方回旋など多くの動きを伴うため、肩周りを効率的にほぐすことができ、肩甲骨はがしの効果が期待できます。
特に、肩甲骨を寄せる・手を挙げるなどの動作は日常生活では行う機会が少なく、僧帽筋や肩甲挙筋がこり固まりやすいため、休憩中や寝る前などに定期的に実践できるといいでしょう。

  • 1.

    片方の手を頭の反対側に置き、首を横に引っぱるようにして横に倒す。
    ※反対の手は、ひじを曲げておきましょう。

  • 2.

    曲げたひじを下げるようなイメージで、肩甲骨を身体の中心に寄せる。

  • 3.

    下げた腕を今度は上にあげ、体側を伸ばすようにして身体を横に倒す。
    ※このとき、首を更に傾けるようなイメージで横に倒しましょう。

  • 4.

    1~3を10回×2セット行う。

■ 寝たままできる肩甲骨はがしのストレッチ方法

寝た状態で両手を床に付けて肩甲骨を適度に寄せ、僧帽筋を伸ばすストレッチです。
寝た状態でストレッチを行うと身体の余計な力が抜けてリラックスした状態でストレッチができるため、肩甲骨周りの筋肉がほぐれやすくなるでしょう。
両肩を床から浮かせないように意識して取り組みましょう。

  • 1.

    横向きで寝た状態で、上の足を下の足とクロスさせるように前に出す。

  • 2.

    上の手を後ろに伸ばすようなイメージで
    引く。
    ※反対の手は前に出しましょう。

  • 3.

    2の状態で、10~15秒間キープする。

  • 4.

    反対側も同様に行い、2~3を×左右各2~3セット行う。

■ 座った状態でできる肩甲骨はがしのストレッチ方法

座った状態でできる肩甲骨の代表的なストレッチ方法は、肩甲骨を寄せて僧帽筋中部にアプローチするストレッチ
です。
肩甲骨を寄せる動作(肩甲骨の内転)は日常生活では行う機会の少ない動作のひとつと言われています。
肩甲骨を寄せる動作をしないと僧帽筋中部がこり固まって肩こりや猫背になるリスクが高くなるため、定期的に肩甲骨を寄せるストレッチをできるようにしましょう。
ストレッチ時のポイントは、脇を締めた状態で肩甲骨を最大限寄せるように意識することです。
はじめは肩甲骨を寄せる感覚がつかみづらいかもしれませんが、継続することで次第に肩甲骨がほぐれて上手く寄せられるようになるでしょう。
僧帽筋をほぐして肩こりを解消できるよう、意識的に取り入れてみましょう。

  • 1.

    椅子に座り、脇を締めた状態で手のひらを上にして前に出す。

  • 2.

    脇を締めたままの状態で、両手を外方向へ広げる。
    ※ひじを起点にして両手を外側に回すイメージで行いましょう。

  • 3.

    1~2を10回×2~3セット行う。

4 肩甲骨の柔軟性をセルフチェックするやり方

肩甲骨の柔軟性は、手軽にセルフチェックをすることが可能です。
両手・両ひじを顔の前で合わせ、両ひじをつけた状態で腕を上に上げてみましょう。
肩甲骨の柔軟性が高い場合は鼻の位置まで上げることができますが、全く上がらない・少ししか上がらない場合は肩甲骨周りの筋肉がこり固まっている可能性が高いでしょう。
肩甲骨はがしのストレッチを実践する前や継続してストレッチを取り組んだあとなど、定期的にセルフチェックをして柔軟性をチェックするのがおすすめです。

肩甲骨の柔軟性セルフチェック

5 セルフストレッチのサポートには、
「Power Gun Pocket」「Recovery Wear」がおすすめ

セルフストレッチのサポートには、毎分最大約3,000回の振動機能を搭載した「Power Gun Pocket」を活用するのがおすすめです。
気になる部位に押し当てることで、全身を手軽にケアすることができます。
軽量・コンパクトな設計で手軽に持ち運びができるため、仕事の休憩時間などにも気軽に使用できるでしょう。

また、着るだけで血行を促進できる「Recovery Wear」もおすすめです。
特殊繊維Mediculation®(メディキュレーション)が身体から放出される遠赤外線(体温)を輻射することで血行を促進し、肩こりの緩和や疲労回復効果が期待できるでしょう。

6 まとめ

「肩甲骨はがし」は、肩こり緩和のために肩甲骨の動きをスムーズにする施術やストレッチのことを指します。
本記事では、固まりやすい肩甲骨周りの筋肉について説明したあと、手軽にできる肩甲骨はがしのストレッチ方法を紹介しました。
肩甲骨の柔軟性をセルフチェックできる方法も紹介していますので、ぜひ効果を確認しながら肩甲骨はがしのストレッチを継続的に実践していきましょう。