髪に静電気が発生するしくみ

髪の静電気は、主に摩擦と乾燥によって生じます。
そもそもすべてのものは、プラスとマイナスの電気を帯びています。しかし、摩擦により電気のバランスが崩れてしまうと静電気が起こるのです。
例えば、髪をブラシでとくと、髪にはプラスの電気、ブラシにはマイナスの電気が多くなります。これにより、マイナスの電気とプラスの電気がくっつき、ブラシに髪が張り付いてしまいます。また、髪同士はどちらもプラスの電気を帯びるため、反発して広がってしまうのです。
髪に静電気が起こる原因

髪の静電気が起こるには、いくつかの原因があります。
- ●髪質
- ●髪のダメージ
- ●乾燥した環境
- ●衣類の素材
髪には常にプラスとマイナスの電気が存在していますが、必ずしも静電気が発生するわけではありません。上記のような原因が組み合わさることにより、プラスの電気とマイナスの電気がバランスを崩してしまい、静電気が発生するのです。
髪質
髪質によって、静電気の起こりやすさには違いがあります。なぜなら、静電気は細いものの先端で起こりやすいという特徴があるからです。そのため、細くてやわらかい髪質の場合には静電気の影響を受けやすくなります。また、くせ毛は髪の水分量が少ないことから乾燥しやすく、静電気が発生しやすいとされています。
このように、髪質によって静電気の発生しやすさは異なります。しかし、太くて硬い髪質だからといって静電気が起こらないわけではないので注意が必要です。
髪のダメージ
ダメージを受けた髪は水分が失われやすいため、乾燥により静電気が起こりやすくなります。例えば、ヘアカラーやパーマは髪へダメージを与えるため、髪が乾燥する原因の一つです。
また、髪の自然乾燥も大きなダメージにつながります。髪がぬれている際、乾くまでの間にはキューティクルが開いたままになります。この開いたキューティクルから髪の水分が逃げ出すことで、乾燥を引き起こします。しかし、ドライヤーのあてすぎでも髪は傷むため、手早く乾かすことが大切です。
髪を早く乾かすためには、以下のポイントに気を付けましょう。
- ●ドライヤーの前にタオルドライを行う
- ●ドライヤーは10~15センチ以上距離を離して使用する
- ●根元から乾かす
タオルドライによりドライヤーをあてる時間の短縮になり、乾きにくい根元から乾かすことで、素早く乾かせます。
乾燥した環境
空気が乾燥していると静電気が起こりやすくなります。夏などの湿度の高い時期であれば、空気中の水分が電気を通すため、静電気は起こりにくくなります。一方、乾燥していると放電しにくくなり、ものや体の中に蓄電されます。その電気が摩擦などの刺激により放電することで、静電気が発生するのです。
そのため、肌と同じように髪も乾燥して電気がたまりやすくなり、静電気が発生しやすくなります。
衣類の素材
マフラーやセーターなどを着用していると、髪に摩擦が生じて静電気が起こる可能性があります。
ポリエステルとウールを重ね着すると静電気が発生しやすくなるため、衣類の素材の組み合わせにも注意が必要です。これは、ポリエステルにはマイナスの電気が、ウールにはプラスの電気が帯電しやすいことが原因です。特に重ね着をしていると、異なる素材がこすれて電荷のバランスが崩れ、静電気が発生しやすくなるでしょう。
髪に静電気が発生するとどうなる?

髪に静電気が起きた場合、不快感以外にもさまざまな問題が生じます。静電気によるトラブルには、髪が広がる、髪が顔に張り付く、ホコリやゴミが付きやすくなる、髪が傷みやすくなるなどが挙げられます。
髪が広がる
静電気により、髪一本一本はプラスの電気を帯びます。そのため、髪同士が互いに反発しあい、髪が広がってしまうのです。
冬に髪がまとまらないのは、静電気による広がりの可能性が高いといえます。この場合、ブラシでとくとさらに静電気が発生し、なかなか髪がまとまりません。そのため、静電気を予防するヘアケアを行うなどの工夫をしましょう。
髪が顔に張り付く
髪と顔との間では異なる電荷(物体が帯びている静電気や物理量)が発生します。髪はプラスの電気を帯びやすいですが、顔にはマイナスの電気が多く集まります。そのため、プラスとマイナスで引き寄せ合って顔に張り付くのです。
顔周りの髪や前髪がぺたっと張り付く場合には、静電気が原因であると考えられます。このような場合には、髪をまとめるヘアアレンジがおすすめです。
ホコリやゴミが付きやすくなる
静電気を帯びた髪がホコリやゴミ、花粉を引き寄せ、髪にホコリやゴミ、花粉が付きやすくなります。
ホコリやゴミ、花粉の付着は髪の見た目や清潔感を損なうだけでなく、かゆみやかぶれ、ふけなどの頭皮トラブルにつながる可能性もあります。日々のヘアケアを行っているにも関わらず頭皮トラブルが発生する場合は、静電気対策で解決するかもしれません。
髪が傷みやすくなる
静電気によって髪のキューティクルが剥がれ、髪が傷みやすくなります。また、静電気による髪のからまりは、抜け毛や切れ毛の原因となる場合もあります。
さらに、髪のダメージは乾燥につながるため、静電気を引き起こしやすくします。そのため、静電気により髪が傷み、傷んだ髪が静電気を発生させるという悪循環に陥りやすいのです。髪の水分を逃がさないスタイリングを行い、静電気と髪のダメージを防ぎましょう。
髪の広がりを防ぐスタイリング方法

髪の静電気を完全に防ぐ方法はなく、対策をしていても起きてしまいます。ただ、静電気による髪の広がりを防ぐことは可能です。そこで、対策として有効なスタイリング方法とコツを紹介します。
- ●素早くブローして水分を保持する
- ●ブラッシングはゆっくりと
- ●まとめ髪アレンジ
スタイリングのコツを知り、静電気による髪の広がりにうまく対処しましょう。
素早くブローして水分を保持する
静電気は髪の乾燥が原因となるため、ドライヤーの使い方が大切です。そこで、静電気予防を意識したドライヤーの使い方と乾かし方のコツを紹介します。
ドライヤーを使用する前にはタオルドライを行い、できるだけ余分な水分をふき取ります。さらに、熱による髪の乾燥を防ぐため、低温・冷風を活用しましょう。乾かす時に髪にドライヤーを近づけすぎず、素早く乾かすことが重要です。速乾性の高いドライヤーを使用し、短時間で乾かすように意識しましょう。
ブラッシングはゆっくりと
髪とブラシの摩擦により静電気が発生するため、ブラッシングの方法にも気をつける必要があります。髪をとかす際にはゆっくりブラッシングを行い、摩擦を最小限に抑えましょう。
静電気が起こりにくい帯電防止剤を配合したブラシや、天然毛を使用したブラシを使うとより効果的です。
まとめ髪アレンジ
髪が広がったり、顔にまとわりついたりするのを抑えるには、まとめ髪がおすすめです。髪を下ろしていると、顔や衣類、髪同士の摩擦が発生しやすく、静電気が起こりやすくなります。
髪をまとめていれば、たとえ静電気が発生しても、髪が顔に張り付くのを防げるため、不快感を軽減できます。
髪の静電気対策におすすめの
ヘアケアアイテム

髪の静電気は、ヘアケアアイテムで予防できる可能性があります。そこで、静電気対策におすすめのヘアケアアイテムを紹介します。
- ●保湿力の高いシャンプー・トリートメント
- ●ダメージケア成分が含まれている
シャンプー・トリートメント - ●ヘアミストやヘアオイル
- ●帯電防止剤配合のヘアブラシ
- ●速乾性のあるドライヤー
- ●シルクのナイトキャップ
普段のヘアケアに取り入れ、髪の静電気を抑えましょう。
保湿力の高いシャンプー・トリートメント
髪に静電気が発生する一番の原因は、乾燥です。そのため、髪の潤いをキープすることで静電気の発生を予防できます。
そこで、保湿力の高いシャンプーやトリートメントがおすすめです。シャンプーやトリートメントに含まれる保湿成分には、以下などが挙げられます。
- ●コラーゲン
- ●ヒアルロン酸
- ●セラミド
これらの保湿成分は髪の内部に潤いを届けたり、表面からの蒸発を防いだりする効果が期待できます。これにより、髪に潤いをもたらし、水分を逃がしにくくします。
ダメージケア成分が含まれている
シャンプー・トリートメント
傷んだ髪は水分が少なく乾燥しているため、静電気が生じやすい状態になっています。また、静電気によってさらに髪が傷むという悪循環も起こります。そのため、ケラチンやセラミド、アミノ酸などのダメージケア成分が配合されているシャンプーやトリートメントがおすすめです。
特に、髪のダメージやパサつきがひどい場合には、洗い流さないトリートメントも効果的です。洗い流さないトリートメントは、傷んだ髪を補修し、乾燥による広がりを抑える効果が期待できます。
ヘアミストやヘアオイル
ヘアミストやヘアオイルをうまく活用すれば、髪の静電気を抑えられるでしょう。
ヘアミストには水分を補う役割があり、ヘアオイルには髪の水分が逃げないように保持する役割があります。そのため、ヘアミストで髪を潤し、ヘアオイルで水分を閉じこめることで、潤いのある髪をキープできるのです。
帯電防止剤配合のヘアブラシ
静電気の予防には、帯電防止剤を配合したヘアブラシがおすすめです。帯電防止剤を配合したヘアブラシで髪をとくと、ヘアブラシの毛や本体から静電気が逃げていきます。
また、木製のブラシや天然毛を使用したブラシも静電気が起こりにくいといわれています。
速乾性のあるドライヤー
速乾性があるドライヤーを使用することでドライヤーの時間が短くなり、水分が髪に保持されやすくなります。ドライヤーを使う時間はできるだけ短縮できるよう、タオルドライをしっかり行いましょう。
また、ドライヤーをあてる際には髪の上から下へ向かって風をあてながら乾かします。これにより、キューティクルを整え髪の広がりを抑えられます。
シルクのナイトキャップ
就寝時の摩擦や髪のダメージを軽減するためには、シルクのナイトキャップが効果的です。
寝具にはポリエステルが使用されているケースが多く、マイナスの電気を帯びやすい特性があります。髪はプラスの電気を帯びやすいため、就寝時の摩擦は静電気を発生させる原因となります。
そこで、シルクのナイトキャップで髪を摩擦から守りましょう。シルクは静電気が起こりにくい素材であるため、寝起きでもすっきりまとまりやすい髪をキープできます。
日常生活での静電気予防対策

髪のお手入れ以外にも、静電気を抑える方法があります。そこで、日常生活の中で実践しやすい静電気予防対策を3つ紹介します。
- ●ヘアオイルやミストの活用
- ●室内の湿度を保つ
- ●静電気防止スプレーの活用
いずれも手軽な方法なので、日頃からこまめに行いましょう。
ヘアオイルやミストの活用
髪には水分を吸収する性質があります。しかし、紫外線や空気の乾燥により、髪の水分量は減ってしまうのです。そのため、日常的な保湿ケアが欠かせません。
外出先でもコンパクトなヘアオイルやヘアミストを活用し、髪の水分量を保ちましょう。特にヘアミストはさっとひと吹きするだけで潤うため、外出先でも簡単に保湿ケアが行えます。
室内の湿度を保つ
空気の乾燥は静電気が発生する原因となるため、乾燥対策が重要です。特に乾燥しやすい冬場は室内の湿度管理を行い、湿度を40%以上に保てるよう心がけましょう。
加湿器を利用すれば、簡単に湿度管理を行えるためおすすめです。加湿器がない場合にも、室内へぬれたタオルを干せば、空気中の水分量を増やすことができます。
静電気防止スプレーの活用
静電気防止スプレーを活用し、髪と衣類の摩擦を軽減させる方法もあります。衣類に静電気防止スプレーを使用することで、簡単に帯電した電気を逃がせます。
また、衣類と髪の摩擦による静電気を防止するためには、柔軟剤の使用もおすすめです。洗濯の際に柔軟剤を加えることで衣類の繊維がなめらかになり、摩擦を防いでくれます。
髪の健康を保つためのポイント

日頃から髪のダメージケアを行うことが、静電気予防にもつながります。ここでは、髪の健康を保つために欠かせない、生活習慣の改善ポイントを2つ紹介します。
- ●食事や睡眠など生活習慣を見直す
- ●定期的なカット・トリートメント
改善後すぐに効果を感じられるわけではありませんが、継続して健康的な髪を手に入れましょう。
食事や睡眠など生活習慣を見直す
バランスのとれた食事や良質な睡眠は健康的な髪を育てます。
髪のほとんどはタンパク質からできているため、肉や魚、卵、大豆などを積極的にとりましょう。ほかにも、髪によい栄養素はたくさんあります。
- ●カキや豚レバーに含まれる亜鉛
- ●もずくやわかめに含まれるフコイダン
- ●緑黄色野菜に含まれるビタミンA
これらをバランスよく取ることで、美しい髪が育ちます。また、睡眠の質を高めることで髪の健康を保ち、つややボリューム感をアップさせる効果も期待できます。
このように、生活習慣の改善により髪の健康を保つことで、静電気の防止にもつながります。
定期的なカット・トリートメント
定期的なカット・トリートメントは髪のダメージを取り除き、髪の健康を維持するのに効果的です。健康的な髪を保つことで乾燥を防ぎ、静電気の発生を抑えます。
髪のなかでも特に、毛先はダメージを受けやすい部分です。傷んだ毛先をそのままにしておくと、栄養が行き渡りにくくなり健康的な髪を育てられません。
定期的に傷んだ毛先をカットし、トリートメントにより髪をケアすることで、健康的な髪を保ちましょう。
まとめ

髪の静電気は乾燥や摩擦により発生し、髪の広がりや張り付き、頭皮トラブルなど様々な問題を引き起こします。特に乾燥は髪のダメージにもつながるため、乾燥や摩擦から髪を守り、髪の静電気を抑えることが大切です。
本記事では、髪の静電気を予防するため、髪の乾かし方やヘアケア方法など対策方法を紹介しました。まずはできそうな方法から取り入れ、静電気による不快感を軽減しましょう。
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