捻転毛(ねんてんもう)とは?特徴を解説

コイルや縄のようにねじれている髪質を「捻転毛」といいます。生まれつき捻転毛の場合もありますが、後天的な要素で捻転毛になることもあり、日本人では珍しいタイプの髪質といわれています。
では、捻転毛は具体的にどんな特徴があるのか解説します。実際に自分の髪を確認して判断してみてください。
触ると表面がボコボコしている
髪を1本手に取り、指で挟み、指をスライドさせてみてください。このときにボコボコした感触があるなら、捻転毛かもしれません。また、捻転毛はザラつきを感じることもあります。
髪の太さが均一ではない
捻転毛は髪の太さが均一ではなく、太い部分と細い部分が混在しています。そのため、細い部分で折れ曲がったり、うねりが出やすくなります。また、細い部分は切れやすいので、手ぐしやブラッシングの際に途中で切れてしまうこともあるでしょう。
髪がパサついて広がりやすい
捻転毛は髪の太さが不均一なので、紫外線や熱、薬剤を使った施術などのダメージを受けて、キューティクルが剥がれやすいという特徴があります。髪の表面を保護しているキューティクルが剥がれると、内部の水分が放出されて空洞ができ、パサつきや広がりの原因になります。
さらに、捻転毛は髪の表面がボコボコしているため、光が当たったときに乱反射してツヤが出にくいのも特徴の一つです。傷んでいなくても、パサついて見えてしまうこともあるでしょう。
捻転毛はクセ毛の一種!ほかのクセ毛との違いは?

捻転毛はクセ毛の一種で、ほかにも三種類のクセ毛があります。それぞれ特徴が異なるため、捻転毛とほかのクセ毛との違いや見分け方を解説します。
捻転毛と波状毛の違い
波状毛はウェーブしているのが特徴のクセ毛です。髪が波打っているので、一見すると捻転毛と見間違えることがあるかもしれませんが、波状毛は髪1本1本がねじれていません。
また、捻転毛と波状毛ではクセ毛の原因も異なります。髪の約8割はタンパク質でできていますが、内部のタンパク質にムラが生じることで、ねじれて捻転毛になるといわれています。
波状毛の原因は、髪内部の水分バランスの乱れであることがほとんどです。そのため、波状毛は水分を含むと膨張して、クセが強く出るという特徴があります。
その点、捻転毛は水分を含んでも膨張しにくく、ぬらすとかえってクセが落ち着くこともあります。
捻転毛と連珠毛の違い
連珠毛は丸く膨らんだ部分と細い部分が交互になっており、数珠が連なったような形状をしているのが特徴です。その見た目から「ビーズ毛」と呼ばれることもあります。
髪を1本手に取り、指に挟んでスライドしたときに、ザラザラ、ボコボコという感触なのは捻転毛と共通しています。また、捻転毛も連珠毛も髪の太さが不均一で、細い部分が切れやすい点も同じです。
しかし、連珠毛は髪自体はねじれておらず真っ直ぐなため、髪を1本だけカットして、ねじれの有無を確認すると判断しやすいでしょう。
捻転毛と縮毛の違い
細かく縮れているチリチリとしたクセ毛を「縮毛」といいます。髪が広がりやすく、アフロヘアのような見た目が特徴です。
縮毛は捻転毛の性質を含むため、捻転毛と同様にねじれています。ただ、ねじれているだけでなく波状毛の性質も含んでいることから、縮毛は捻転毛よりもクセが強く、その分扱いも難しい髪質といえるでしょう。
また、捻転毛はぬらすと落ち着くことが多いですが、縮毛は水分を弾きやすいので、少しぬらすくらいでは変化があまり見られないという違いがあります。
捻転毛の原因

先天的な原因により、生まれつき捻転毛の方もいれば、後天的に捻転毛になる方もいます。では、捻転毛の原因にはどのようなものがあるのか、詳しく解説します。
遺伝によるもの
生まれつき髪にねじれがある場合、遺伝によって捻転毛になっている可能性が高いです。クセ毛は優性遺伝なので、親から子へ受け継がれやすい特徴の一つです。
例えば両親ともにクセ毛だった場合、その子どもは7割の確率でクセ毛になるともいわれています。ただし、先天的に捻転毛だからといって、一生クセ毛のままというわけでもありません。
年齢とともに捻転毛のねじれがゆるくなる場合や、かえってねじれが強くなることもあります。
病気によるもの
病気が原因で捻転毛になることもあるといわれています。例えば特定の皮膚病にかかると、髪が育つために重要な役割をもつ「毛包」が変化することがあります。
これにより、髪質が変わって捻転毛になる可能性があるのです。また、捻転毛と波状毛の性質を併せ持つ縮毛も、病気が原因で起こることがあるといわれています。
毛穴にゆがみが生じている
頭皮の毛穴にゆがみが生じていると、生えてくる髪がねじれて捻転毛になる可能性があります。直毛の方の頭皮は毛穴が円形に近いため、生えてくる髪も真っ直ぐです。
しかし、毛穴が楕円に変形すると、髪が生えてくるときに不均一に圧力がかかり、ねじれが生じ、太さも不均一になります。

ただし、毛穴の形が円形でも、頭皮環境の悪化によって髪がねじれて生えてくることがあります。例えば頭皮が乾燥してフケが発生したり、頭皮の油分が増えて皮脂が詰まったりするのも、髪がねじれて生えてくる原因になります。
髪へのダメージ
元々クセのない髪質だったのに、後天的に捻転毛になった場合、髪へのダメージが原因かもしれません。ダメージの原因は、主に次のようなものが考えられます。
- ●ブリーチやパーマ、ヘアカラーなど薬剤を使用した施術
- ●ドライヤー、ヘアアイロンなどの熱
- ●界面活性剤など洗浄力が強すぎる成分が入ったシャンプーの使用
- ●紫外線
- ●タオルやブラッシングによる摩擦
髪にダメージが蓄積すると、キューティクルが剥がれて内部の水分が放出され、空洞ができてしまいます。スポンジのようになった髪は、空気中の水分をどんどん吸収して膨張し、ゆがんでねじれが生じてしまうのです。
また、界面活性剤など洗浄力が強すぎる成分が入ったシャンプーを使うと、髪にダメージを与えてしまうだけでなく、頭皮トラブルが起きる場合もあるため注意してください。
生活習慣の乱れ
食事や睡眠などの生活習慣が乱れると、捻転毛の原因になることがあります。例えば、食事の栄養バランスが崩れると、髪を作るための栄養が不足して、太さが不均一な髪が生えてくる可能性があります。
また、せっかく栄養を取っても、睡眠不足や喫煙、ストレスによって頭皮の血行が悪くなると、髪に栄養が届きにくくなります。そのため、健康的な髪を目指すには、栄養バランスの取れた食事を取って、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。
髪は約8割がタンパク質でできているため、タンパク質を意識して摂取するのはもちろん、髪を作るサポートをしてくれるミネラルやビタミンといった栄養素も食事に取り入れてみてください。髪を作るのに役立つ栄養素が多く含まれる食品は次のとおりです。
役割 | 多く含まれる食品 | |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の約8割を占めている成分で、健康的な髪を作るのに役立つ | 肉類・魚介類・卵・大豆・牛乳・チーズ・ヨーグルトなど |
ミネラル(亜鉛) | 髪を作るたんぱく質「ケラチン」の合成をサポートし、髪のトラブル解消や成長に役立つ | カキ・赤身肉・甲殻類・うなぎ・煮干し・卵黄・チーズ・切り干し大根・そら豆など |
ビタミンC | 抗酸化作用があり、髪の老化予防に役立つ | アセロラ・キウイフルーツ・いちご・ブロッコリー・芽キャベツ・かぶなど |
ビタミンE | 頭皮の血行を促進させるのに役立つ | アーモンド・うなぎ・はまち・赤ピーマン・アボカドなど |
上記の食品をうまく取り入れ、主食、主菜、副菜のバランスが取れた食事を心がけてみてください。
ホルモンバランスの変化
妊娠や出産によってホルモンバランスが変わると、髪にねじれが生じて捻転毛になることがあるとされています。
女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、40歳頃から分泌量が緩やかに低下し、閉経の前後5年間で急激に低下するといわれています。このように加齢によってホルモンバランスが変化し、突然髪質が変わることもあります。
また、髪は加齢に伴ってうねりが増加するといわれているので、いつの間にか捻転毛の特徴が目立つようになることもあるでしょう。さらに、加齢によって頭皮の毛包が小さくなることから、生えてくる髪も細くなり、ねじれやすくなる可能性があります。
捻転毛のケア方法

捻転毛はセルフケアや美容室でのケアで、クセを抑えられる可能性があります。できることから始めて、毎朝のスタイリングにかける時間の短縮に役立ててみてください。
髪や頭皮に優しいシャンプーを使う
シャンプーを選ぶときは、界面活性剤など洗浄力が強すぎる成分が入ったシャンプーを避け、髪や頭皮に優しいアミノ酸系のシャンプーにするのがおすすめです。
捻転毛は髪がダメージを受けやすいほか、太さが不均一なので切れやすいという特徴があります。そのため、ダメージを補修してくれるシャンプーを選ぶのも一つの方法です。
髪の約8割を占めるといわれるタンパク質や、髪を作るサポートをしてくれるミネラルが配合されたシャンプーは、髪や頭皮に不足している成分を浸透させることができるのでおすすめです。また、シャンプーをする前にある程度の汚れを落としておくと、少量のシャンプーでもしっかり汚れを落とすことができます。
シャンプー前の事前準備として毛先、中間、根元の順番でブラッシングし、ぬるま湯(38〜39℃)で丁寧に予洗いすることで、ある程度の汚れは落とせるといわれています。事前準備が終わったら、次の方法を参考にシャンプーをしていきましょう。
- 1. 手のひらにシャンプーを出して泡立てる
- 2. シャンプーを頭につけて指の腹で優しく頭皮を洗う
- 3. 頭皮や髪にシャンプーが残らないようにしっかり洗い流す
捻転毛に適したシャンプーを選び、正しい方法でヘアケアする習慣をつけていきましょう。
保湿ケアをして髪をしっかり乾かす
太さが不均一な捻転毛は外部からのダメージを受けやすいので、ドライヤーで髪を乾かす前に保湿ケアを行い、保護するのが大切です。
ヘアミルクはドライヤーで乾かした後も、髪がしっとりまとまりやすくなります。捻転毛は内部のタンパク質のバランスが乱れているため、髪を作るタンパク質の一種である「ケラチン」が配合されたヘアミルクが向いています。
髪がぬれているときはキューティクルが開いているので、そのままにしておくと内部の水分やタンパク質が外に流れてしまう可能性があります。お風呂から出た後はできるだけ早く髪を乾かし、キューティクルを整えましょう。
正しいドライヤーの方法は、次のとおりです。
- 1. 髪を挟み込んでもむようにタオルドライする(こすらない)
- 2. 温風を髪の根元に当て、毛先に向かって順番に乾かす
- 3. おおよそ全体が乾いたら、冷風に切り替えて仕上げる
美容室で施術を受ける
捻転毛のクセを抑えて扱いやすくしたいなら、美容室で施術を受けるのも一つの方法です。捻転毛は髪内部にあるタンパク質のバランスが乱れている状態なので、タンパク質の結合を一度切断してから再結合させる施術である「縮毛矯正」を受けることで、クセが落ち着く可能性があります。
ただし、縮毛矯正は少なからず髪へダメージを与えてしまいます。そのため髪質そのものを改善したい方は、美容室で定期的にトリートメントを受けたり、髪質改善トリートメントを受けるのがおすすめです。
髪質改善トリートメントは主に次の2種類に分かれているので、髪の状態によって適している施術を受けてみてください。
特徴 | おすすめな人 | |
---|---|---|
酸熱トリートメント | 酸性の成分(レブリン酸やグリオキシル酸など)が髪に新たな結合をつくる | ダメージ毛・細毛・軟毛・猫っ毛・エイジング毛 |
水素トリートメント | 水素を含む薬剤と熱で髪のダメージを修復する | 乾燥してパサつきが気になる人や、パーマ・カラーをしている人、ツヤがほしい人 |
ただし、髪質改善トリートメントは1回で劇的に変化するわけではありません。何度か施術を繰り返すことで、少しずつ髪質改善が目指せるでしょう。
捻転毛を抜く癖や触る癖をやめる
捻転毛が気になって抜いてしまう方もいるかもしれません。しかし、髪を抜くと頭皮や毛根にダメージを与えてしまい、毛穴がゆがんでしまうことがあります。
毛穴がゆがむと、クセがさらに強くなったり、髪が細くなったりなど、捻転毛が悪化する可能性があります。髪を抜いても根本的な解決にはならないので、癖になっている方は早めにやめる努力が必要です。
また、髪を触りすぎると手の雑菌がついたり、手が髪の油分を取ってしまったりなど、さらなるトラブルを招くこともあるため、髪を頻繁に触るのもできるだけ控えましょう。
捻転毛の原因を知って正しく対処しよう

捻転毛は髪内部のタンパク質のバランスが乱れることにより、太さが不均一でねじれている状態です。クセ毛の中でもクセが強く、扱い方がとても難しい髪質の一つだといえるでしょう。
遺伝が原因で捻転毛の方もいますが、食事や生活習慣が原因で後天的に捻転毛になる方も少なくありません。後天的な原因で捻転毛になった可能性がある方は、栄養バランスの良い食事を意識して規則正しい生活を送るとクセが落ち着く可能性があります。
また、原因に関わらず、正しいヘアケアを行うのも大切です。ぜひ、今回紹介したケア方法を参考にして、まとまりのあるツヤ髪を目指してみてください。
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