切れ毛とは

切れ毛とは、髪が途中でプツプツと切れてしまっている状態を指します。髪の表面を保護しているキューティクルは髪が濡れると開く性質があり、キューティクルが開いているときに内部の成分が流れ出して空洞化することがあります。
また、生活習慣の乱れや薬剤を使用する施術などによって髪にダメージが加わり、キューティクルが剥がれて内部の栄養や水分が流れ出し空洞化につながるケースもあるでしょう。このように、内部が空洞化すると髪が細くなったり、もろくなったりして、ブラッシングなどちょっとした摩擦でも切れやすくなってしまうのです。
切れ毛の原因

切れ毛は、日常生活のなかでさまざまなダメージが積み重なることで発生します。髪が途中で切れてしまう背景には、薬剤や熱による刺激、物理的な摩擦、紫外線、栄養不足、ホルモンバランスの変化など複数の要因が関係しています。
では、切れ毛の主な原因について詳しく見ていきましょう。
パーマやカラー、縮毛矯正など薬剤を使う施術のダメージ
切れ毛の大きな原因は、パーマやカラー、ブリーチなどに使われる薬剤であることが多いといわれています。薬剤の化学的刺激によってキューティクルが傷ついたり剥がれたりすると、髪の内部にある成分が流出して空洞ができ、髪が切れやすくなります。
切れ毛による髪のパサつきを解消しようと縮毛矯正をかけるケースもありますが、薬剤と熱によるダメージが重なって、かえって切れ毛が増えるという悪循環に陥る可能性もあるので注意が必要です。
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱ダメージ
日々のドライヤーやヘアアイロンといった熱ダメージの蓄積も、切れ毛につながる原因とされています。例えば、ドライヤーをあてるときに髪に近づけすぎていたり、高温で長い時間ドライヤーをあてたりすると、キューティクルが傷ついて剥がれてしまいます。その結果、髪内部の栄養や水分が流出して空洞化し、切れ毛につながる可能性があります。
また、ヘアアイロンは120℃~160℃の温度設定で使用するのが推奨されていますが、それ以上の高温で髪にあてると、熱ダメージを受けて切れ毛につながる可能性もあるでしょう。さらに、髪の約8割を占めるたんぱく質は、熱を与えすぎるとバランス崩れ、髪内部の空洞化につながるといわれています。
特に毎日のスタイリングで高温のヘアアイロンを繰り返しあてたりすると、熱ダメージが蓄積して髪の強度が低下し、結果として切れ毛が起こる原因につながります。
摩擦
ブラッシングのしすぎやタオルドライ、寝具との擦れなど物理的な摩擦による刺激でも、髪はダメージを受けて切れ毛につながる場合があります。特に髪が濡れた状態の髪はキューティクルが開いているため非常にデリケートです。
例えば、髪をドライヤーで乾かさずに就寝すると、枕との摩擦でキューティクルが剥がれたり、髪がからまって切れたりする可能性があります。また、濡れている髪をタオルでゴシゴシこするのも、キューティクルにダメージを与える原因になるので注意が必要です。
紫外線
紫外線ダメージの蓄積も、切れ毛が発生しやすくなる原因の一つです。肌と同じように髪も紫外線の影響を受けており、強い日差しによって乾燥し、枝毛や切れ毛が増えることがあります。
特に長時間にわたって紫外線を浴びたり、強い紫外線を受けたりすると、髪にダメージが蓄積して切れ毛ができやすくなるので気をつけましょう。
食生活の乱れによる栄養不足
髪は約8割がたんぱく質でできているため、偏った食事によってたんぱく質が不足すると髪が細く弱くなり、切れ毛が発生する可能性があります。また、髪の生成を助けるビタミン類や亜鉛、鉄分などのミネラルが不足すると、健やかな髪が育ちにくくなります。
栄養不足の状態が続いてしまうと、髪の内部がスカスカになり、細くて弱い髪が生えてくるようになります。その結果、髪が切れやすくなることがあるでしょう。
ストレスや喫煙などの生活習慣
過度なストレスや喫煙といった生活習慣の乱れも、髪の健康に影響を及ぼし切れ毛の原因につながる場合があります。過度にストレスがたまると自律神経やホルモンバランスが乱れ、免疫力の低下や血行不良を引き起こすといわれています。
頭皮の血行が悪くなると、髪をつくるために必要な栄養が毛根に行き届きにくくなり、細く切れやすい髪が生えてくる可能性があるでしょう。また、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させて血流を悪化させる作用があるほか、体内のビタミンCを破壊するといわれています。
そのため、喫煙によって健康な髪が育ちにくくなり、切れ毛や抜け毛の原因となる可能性があるのです。ストレスの蓄積に心当たりがあったり喫煙を習慣にしたりしている場合は、髪だけでなく健康的な体を維持するためにも生活習慣を見直すことが大切です。
ホルモンバランスの変化
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、髪を健やかに育てて維持する役割があるといわれています。しかし、生理前後や妊娠、出産、更年期などでホルモンバランスが変化し、エストロゲンの分泌量が変動すると、その影響で髪質が変わって切れ毛が発生しやすくなる可能性があります。
例えば、妊娠中はエストロゲンが増えて髪が抜けにくくなりますが、出産後女性ホルモンが急激に減少すると一時的に抜け毛や切れ毛が増えることがあるといわれています。このようにホルモンバランスの変化は髪の成長サイクルや強度に影響を与えるため、食事や睡眠など生活面のケアにも気を配りましょう。
切れ毛を防ぐための日常ケア

切れ毛を防ぎ、健康的な髪を育てるためには、まず原因に応じたアプローチが欠かせません。日常生活のなかで小さな習慣を見直すことが、大きな変化につながることもあります。
ここからは、切れ毛の対策に効果的な実践的な方法をご紹介します。
パーマやカラー、縮毛矯正などの施術頻度を減らす
まず、切れ毛の原因となるパーマやヘアカラー、ブリーチ、縮毛矯正といった薬剤を使用する施術のペースを見直し、頻度を減らすことを検討しましょう。
薬剤の種類やかけ方にもよりますが、具体的にヘアカラーは2カ月おき、パーマや縮毛矯正は、半年に1回の頻度がおすすめです。傷みが気になる場合やハイトーンカラーの後は根元のみリタッチする期間を挟むなどダメージを避ける工夫をしましょう。縮毛矯正の場合も、クセが出てきた根元のみに薬剤をつけるようにすると良いでしょう。
また、美容室でカラーやパーマなどの施術を受ける際には、一緒にトリートメントをお願いするのもおすすめです。サロンのトリートメントで髪を保護・補修しながら施術すれば、ダメージの軽減につながるでしょう。
紫外線対策をする
切れ毛対策の一環として、紫外線から髪を守る工夫をすることも大切です。日差しが強い日は日傘を差したり帽子を被ったりして髪に直射日光があたるのを防ぎましょう。
また、日常的に髪用の日焼け止めスプレーを使うのも一つの方法です。紫外線は屋外だけでなく、室内の窓から降り注ぐこともあります。
そのため、日頃から紫外線対策を習慣にしてダメージを防ぎ、切れ毛を増やさない工夫を心がけましょう。
栄養バランスを意識した食事を心がける
毎日の食事で栄養バランスに気をつけることも、切れ毛の対策のためには重要です。髪の主成分であるたんぱく質を摂取することで、健康的な髪の生成に役立ちます。
食事は主菜、副菜、主食のバランスを意識するのはもちろん、肉や魚、大豆製品、卵といった良質なたんぱく質を取り入れましょう。また、髪の生成をサポートするビタミンB群やビタミンC、ビタミンE、亜鉛、鉄といったミネラルもしっかり補給すると、健やかな髪を目指せます。
たんぱく質を多く含む食品以外にも、野菜や果物、海藻、ナッツ類などもバランス良く食べるように意識しましょう。極端な食事制限は栄養バランスを崩してしまう可能性があるので、食事を減らすのではなく、内容を見直して健康的な食生活を心がけることが大切です。
生活習慣を見直す
切れ毛を対策するためには、生活習慣を見直すことも大切です。髪や頭皮の血行を悪くする喫煙はできるだけ控え、可能であれば禁煙するのが望ましいです。
また、ストレスはため込みすぎず適度に発散するよう心がけましょう。意識的に休息時間を確保したり、趣味に没頭したりするのも一つの方法です。
さらに、睡眠不足は髪の成長に悪影響を及ぼすため、毎日しっかり睡眠をとるようにしましょう。できるだけ6〜8時間の睡眠を心がけ、髪やお肌のゴールデンタイムといわれる夜10時〜深夜2時頃に眠れているとベストです。
この時間帯は成長ホルモンの分泌が盛んになるため、細胞の修復や髪の再生が促されるといわれています。切れ毛のない丈夫な髪を目指すためにも、規則正しい生活を送りましょう。
切れ毛を対策するヘアケアのポイント

切れ毛の対策には、毎日のヘアケアを見直すことが重要です。髪を洗う、乾かすなどといった日々の行動の積み重ねが、ダメージの回避に大きく影響します。
ここでは、健康的な髪を維持しながら切れ毛を防ぐために意識したい、日々のヘアケアのポイントをご紹介します。
シャンプー選びや髪の洗い方に気をつける
自分の髪質や髪の状態に合ったシャンプーで正しく洗うことで、ダメージの軽減や切れ毛の対策につながります。洗浄力が強すぎるシャンプーは髪に必要な油分や水分まで取ってしまったり、頭皮に刺激を与えたりする可能性があります。
特に切れ毛は髪が乾燥して空洞化しているケースが多いため、洗浄力がマイルドなアミノ酸系やベタイン系のシャンプーを選ぶのがおすすめです。また、シャンプーをするときにゴシゴシこすってしまうと、摩擦によってキューティクルが剥がれやすくなるので注意しましょう。
シャンプーをする際は、まず、事前にブラッシングを行いましょう。ブラッシング後に38℃前後のぬるま湯で2〜3分の予洗いを行っておくと、汚れが落ちやすくなるほか、シャンプーの泡立ちも良くなります。なお、シャンプーは手でしっかり泡立ててから頭皮になじませ、指の腹で地肌をやさしくマッサージするように洗いましょう。
シャンプーを洗い流す際も、38℃前後のぬるま湯で丁寧にすすぎます。後頭部〜襟足、耳の後ろはすすぎ残しやすい部分なので、意識してしっかり洗い流しましょう。
ドライヤーやヘアアイロンを正しく使う
濡れた髪をドライヤーで乾かす際やヘアアイロンでスタイリングする際の方法を工夫することで、熱ダメージによる切れ毛を軽減できるでしょう。ドライヤーは一箇所に長時間あて続けたり近づけすぎたりしないように注意が必要です。
ドライヤーを髪に近づけすぎると局所的に高温となり、キューティクルが傷つきやすくなります。まず、ドライヤーは髪から15cmほど離して持ち、乾きにくい根元から先に乾かします。
また、切れ毛による髪の広がりを抑えたい場合は、髪をしっかりと乾かした後に手ぐしを通しながら、根元から毛先に向けて弱風をあてましょう。仕上げに冷風をあてるとキューティクルがキュッと引き締まり、ツヤが出やすくなります。
一方、ヘアアイロンでスタイリングするときは、使用方法や温度に注意が必要です。ヘアアイロンを使用するときは、一度に厚い毛束を挟むのではなく、髪を少量ずつブロッキングしましょう。毛束が多すぎると熱が均一に伝わらず何度も挟み直すことになり熱ダメージを受けやすくなります。
また、ヘアアイロンの設定温度は120℃〜160℃程度までを目安にして、ゆっくりと滑らせるように通すと髪への負担が軽減できます。
なお、濡れた状態の髪にはヘアアイロンを使用しないように注意しましょう。濡れた髪にヘアアイロンを通すと、急激な温度上昇により髪の水分が瞬時に蒸発し、キューティクルを損傷する「水蒸気爆発」が起きてしまいます。そのため、必ずドライヤーで髪をしっかり乾かしてからヘアアイロンを使うようにしてください。
ドライヤーやヘアアイロンの正しい使い方を守り、熱ダメージによる切れ毛を防ぎましょう。
自然乾燥を避けて髪を早めに乾かす
お風呂上がりなどの濡れた髪は髪の表面を保護するキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。長時間放置するとその間に摩擦などのダメージを受けやすくなるほか、髪内部の成分が流出しやすくなるため、早めにドライヤーで乾かすようにしましょう。
また、しっかり乾かすことでキューティクルが閉じるため、ダメージを回避するためにも湿り気がなくなるまで乾かすことが大切です。
切れ毛を予防するためには、お風呂から出たら早めに髪を乾かす習慣をつけましょう。
切れ毛をカットして整える
切れ毛をカットして整えると、広がりやパサつきが軽減され、スタイリングしやすくなります。切れ毛を放置しておくとさらにダメージが悪化して枝毛が発生したり、切れ毛が増えて髪の長さがバラバラになったりする可能性があるので、早めに対処してダメージを最小限に留めましょう。
ただし、文具用のはさみなど切れ味の悪い道具でセルフカットすると、断面が乱れてダメージに弱い状態になってしまう恐れがあります。そのため、カット技術が高いプロの美容師に依頼するのがおすすめです。
丈夫でしなやかな髪を育てるためにも、切れ毛のダメージを一度リセットして健康な状態に近づけましょう。
トリートメントを使う
切れてしまった毛を元通りに修復することはできませんが、適切なトリートメントケアで髪にうるおいを補給すれば、ダメージを軽減する効果が期待できます。トリートメントには大きく次の2種類に分けられます。
- ●インバストリートメント:シャンプー後になじませて洗い流すタイプ。栄養や保湿成分を髪内部に届けて、ダメージを補修する効果が期待できる。
- ●アウトバストリートメント:タオルドライ後、またはドライヤー後に髪になじませる洗い流さないタイプのトリートメント。髪の保湿や補修、保護を目的に使用する。
切れ毛は髪にダメージが蓄積した状態なので、インバストリートメントとアウトバストリートメントの両方を組み合わせて使用するのがおすすめです。まず、シャンプー後に軽く水気を切り、ヘアトリートメントやヘアマスクなどのインバストリートメントを髪の中間〜毛先にもみ込むようになじませて数分置いてから洗い流します。
インバストリートメントは商品によって使用頻度が異なるため、各商品の使用方法を参考に、毎日または週に1〜2回の頻度で取り入れてみてください。
アウトバストリートメントはヘアミルクやヘアオイル、ヘアクリーム、ヘアミストなど、種類や商品が豊富なので、髪質や髪の状態、目的などに合わせて選ぶのがおすすめです。
商品によって使用するタイミングは異なりますが、ドライヤー前になじませて熱ダメージから髪を保護するために使用したり、スタイリングの仕上げとして使用したりするのが一般的です。
塗布するときは、ベタつきやすい根元を避けて髪の中間〜毛先になじませます。
このように、インバストリートメントとアウトバストリートメントを上手に使い分けたり併用したりして、切れ毛のダメージケアを習慣にしましょう。
切れ毛のボサボサをまとめるスタイリングのコツ
切れ毛によって広がりやすくなった髪を、スタイリングで上手にまとめるには、仕上げ方や使用するアイテム選びが大切です。ここからは、手軽にできるスタイリングのポイントをご紹介します。
ヘアミルクやヘアオイルを使う
乾燥によって切れ毛が発生し、髪の広がりが気になる場合、ヘアミルクやヘアオイルを活用して油分とうるおいをプラスするのがおすすめです。これらに含まれる油分は乾いた髪にうるおいを与えるだけでなく、髪の表面をコーティングしてくれるので、まとまりのある髪が目指せます。
また、ドライヤー前の濡れた髪に熱ダメージを軽減する成分が配合されたヘアオイルやヘアミルクをなじませると、熱から髪を保護してくれる効果も期待できます。
なおヘアアイロンを使用する前に、ヘアオイルやヘアミルクを塗布すると熱が内部まで伝わりにくくなるので、スタイリングに取り入れるときは仕上げ用として使うのがおすすめです。
なかには熱から髪を保護してくれる効果やスタイリングキープ効果が期待できる商品もあるので、スタイリング前に使用したい場合は、用途や成分を確認して選びましょう。
キープ効果が高いスタイリング剤を使う
切れ毛が多く、パサつきや広がりが気になる髪をまとめるには、セット力や重みのあるスタイリング剤を使うのも効果的です。髪質や仕上げたいスタイルに合わせたアイテムを選びましょう。
例えば、ヘアワックスやヘアバームのようなスタイリング剤は、髪をしっとり落ち着かせて広がりを抑えるのに向いています。毛先をまとめたり動きをつけたりするのにもヘアワックスは便利です。
また、ジェルやムースのようにキープ力が高く濡れたような質感になるスタイリング剤を使えば、髪表面の切れ毛もしっかり抑えてスタイルキープできます。髪質によって相性はありますが、まとまり重視ならヘアオイルやヘアミルク、しっかりセットしたいならヘアワックスやヘアバーム、ヘアジェルと覚えておくと選びやすいでしょう。
切れ毛の原因を知って正しく対処しよう

日々の積み重ねによるダメージが引き起こす切れ毛は、原因を理解して適切にケアすることで対策につながります。生活習慣や薬剤を使った施術、日々のヘアケア方法など、原因に心当たりがある場合は、できるところから見直していきましょう。
また、切れ毛をカットして整えたり、トリートメントを取り入れてヘアケアを強化したりするのも一つの方法です。髪質や髪の状態に合ったヘアケアアイテム、スタイリング剤を使用すれば、広がりやパサつきを上手に抑えることもできるので、ぜひ工夫してみてください。
切れ毛の原因を知って正しく対処し、毎日のヘアケアで健康的な髪を手に入れましょう。
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