コラム vol7

その不調、
ストレートネック(スマホ首)
が原因かも!?

その不調、ストレートネック(スマホ首)が原因かも!? その不調、ストレートネック(スマホ首)が原因かも!?

現代人を悩ませるストレートネック
(スマホ首)とは?

私たちの背骨の形は、横から見たとき本来は緩やかなS字形状を描いているものです。背骨は、上から頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙骨(せんこつ)の4つから構成されています。頚椎は首の部分に位置し軽い前方凸の状態、胸椎は心臓などの臓器が入るために後方凸の状態、腰椎は前方凸の状態、仙骨はお尻の下部にあり軽い後方凸の状態で、背骨全体は緩やかに湾曲しています。背骨がS字カーブになっていることで、人間の身体の機能を最大限引き出す形になっていると考えられています。
本来なら首の骨が緩やかな前方凸のラインを描いているはずの背骨が、湾曲せず直線状になっているのが、ストレートネックの状態です。また、頭は非常に重く4~6kgもあると言われています(感覚的にはボーリングの球ぐらいの重さをイメージしてみるとわかりやすいと思います)。ストレートネックになっていると、頭の重さを逃がすことができずダイレクトに負荷が頸椎にかかることになります。ストレートネックの状態が長期に続いてしまうと、頸椎だけでなく首の骨や周りの筋肉にも負荷がかかり、全身のバランスにも影響がでる可能性があります。頸椎の違和感や気になる症状、身体の不調が広がってきていると感じたら、注意が必要です。

引用 :「ストレートネックを自分で治す1分間の魔法の習慣 著:立林幸汰」P6~8

背骨の構成 背骨の構成
ストレートネック・正常な頸椎 ストレートネック・正常な頸椎

見逃せないさまざまな違和感
ストレートネック(スマホ首)が
及ぼす影響について

ストレートネック(スマホ首)が及ぼす影響について ストレートネック(スマホ首)が及ぼす影響について

ストレートネックの状態に陥ると、身体のあちこちに不調や症状があらわれると言われています。その代表的なケースを3つご紹介。次のような不調を抱えている場合は、そのままにするのは危険です。

  1. 首・肩への影響

    4~6kgの重さがある頭が背骨にきちんと乗らず前側にあると、それを支えるために首や肩の筋肉に負荷がかかり、緊張状態になります。実際に首の角度が60度傾いていると、首にかかる負担が通常の4~6倍になると言われています。 大きな負荷がかかる状態で過ごしていると、首や肩に疲労がたまりガチガチに固くなったり、不調を感じたりしても不思議ではありません。この場合、肩や首をマッサージするだけでは根本的な改善には繋がらず、ストレートネックそのものを何とかする必要があります。

  2. 頭への違和感

    ストレートネックになると首の前にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)が固まり、さらに首・肩こりになると首・肩・背中にある僧帽筋(そうぼうきん)が固まり、頭部の前頭筋や後頭筋など筋肉にも影響を与えます。ストレートネックの状態では、首・肩の筋肉を経由して頭の筋肉が固くなってしまうため、頭への違和感を感じる場合があります。薬を服用するなどしても改善しない場合は、早めに専門医への受診をお勧めします。

  3. めまいへの影響

    ストレートネックになると、首を圧迫してしまい、首の付け根や後頭部の奥にある脳幹と呼ばれる脳の一部にも負荷がかかりやすくなります。 脳幹は自律神経と関係する器官であるため、ここに負担がかかると自律神経が正常に保てなくなり、めまいを引き起こすこともあります。なかなか症状がおさまらない場合には、すぐに専門医の診断を受けるようにしましょう。

引用:「ストレートネック解消マニュアル 著:柴雅仁」P30~38

手軽に今の症状や進行度がわかる!
ストレートネック(スマホ首)の
セルフチェック診断

ストレートネックになっていないかどうか知りたい方、すでに症状がでていて進行レベルが気になる方に、手軽なセルフチェック診断の方法をご紹介します。今の状況を知るきっかけとなるはずです。

  1. 仰向けに寝る

    簡単なチェック方法のひとつとしておすすめなのが、仰向けに寝る方法です。これだけで、ご自身のストレートネックの度合いがわかります。
    枕など、頭の下に何もない状態で仰向けに寝てみましょう。この時、顎が上に突き出していたり、首に何らかの症状や違和感を感じる場合は少し危険信号。ストレートネックが進行し、しなやかな背骨のラインが保たれていない可能性があります。
    また一方で、問題なく仰向けの姿勢になれれば背骨の状態は心配ありません。気になる症状がある場合は、正しいケアを行い早めの改善を心がけましょう。

    ストレートネック(スマホ首)のセルフチェック診断 仰向けに寝る方法 ストレートネック(スマホ首)のセルフチェック診断 仰向けに寝る方法
  2. 壁を背にして立つ

    壁の前に立ち後頭部を壁に付けることで、ストレートネックの進行度合いが診断できます。
    壁を背にして立ち、壁にかかと、お尻、肩甲骨をくっつけ、この状態で後頭部を壁に付けます。力むことなく後頭部が壁にピッタリとくっつけば問題ない状態ですが、壁に後頭部を付けるように力を入れると首や背中に違和感や何か症状が出る場合、または後頭部をくっつけられないという方は要注意。
    壁を背にしたとき、骨盤が後ろに傾いていると背中に大きな隙間ができる、さらに腰が全くくっつけられないという方は、ストレートネックの原因が骨盤にあると考えられます。また、両肩を後ろに引いて壁に付けられない場合は、上部胸椎の動きが良くないため、背骨の動きそのものを見直す必要があります。

    ストレートネック(スマホ首)のセルフチェック診断 壁を背にして立つ方法 ストレートネック(スマホ首)のセルフチェック診断 壁を背にして立つ方法
  3. 横から写真を撮る

    客観的にご自分の背骨の形を撮って確認してみることも、有効な診断方法のひとつです。
    スマートフォンのカメラで横から自分の身体を撮影して、客観的に背骨の形を確認してみましょう。座り姿勢や立ち姿勢でも「骨盤、肩の先端、耳の位置が一直線に結ぶことができるか」という点がチェックポイントとなります。この3点は、一直線上に近い状態になっているほど良好で、特別な症状もなく負担のかかりにくい状態と言えます。
    ストレートネックの場合は、耳の位置と肩の先端が大幅に前にずれてくると考えられます。3点を結んだときに大きな「くの字」になるような状態では、ストレートネックの可能性が高いとされ、真剣に負担を経験する方法を考えてみる必要があります。
    また、やっていただきたいのが「自分が思う正しい姿勢(S字姿勢)」を作ってカメラで撮ってみることです。この方法を用いれば、自分ではS字姿勢だと思っていても、実はストレートネックの状態に陥っていると気づくことができます。ストレートネックが進行して背骨や周りの筋肉が固くなっていると、意識的にS字姿勢をつくったとしても、頭が前に突き出しているケースがみられます。この場合は、無意識のうちに1日中良くない姿勢で過ごしていることが心配されます。この方法を日頃の姿勢を見直すきっかけにしてください。

    ストレートネック(スマホ首)のセルフチェック診断 横から写真を撮る方法 ストレートネック(スマホ首)のセルフチェック診断 横から写真を撮る方法

    引用:「ストレートネックを自分で治す1分間の魔法の習慣 著:立林幸汰」P20~23

こんな習慣にご注意を!
ストレートネック(スマホ首)の
原因について

ストレートネック(スマホ首)の原因について ストレートネック(スマホ首)の原因について

長時間、前かがみで背骨が同じ形のままでいることは、ストレートネックの原因になると言われています。現代人の生活の中には、姿勢をくずしやすいシーンが多くあります。改善法や治し方についても一緒に考えてみましょう。

  1. 長時間のデスクワーク

    デスクワークでパソコンを使う、書類に何かを書き込むような前かがみ姿勢は、頭を前に突っ込んでいるような体勢が続くことになります。こんな作業を毎日のように長時間行っている方は注意が必要です。そのままの姿勢で固まってしまい、ストレートネックの状態に陥りがちです。
    同じ姿勢でいること、なかでも座り続ける姿勢はストレートネックをより悪化させると言われています。30分に1度は椅子から立ち上がり、姿勢をまっすぐ正す、身体をゆるめる時間をとるようにしましょう。

    長時間のデスクワーク 長時間のデスクワーク
  2. スマートフォンの使いすぎ

    今や現代人にとって必要不可欠であり、時間を忘れて使い続けてしまうスマートフォン。ストレートネックは別名スマホ首といわれるほど、ストレートネックに深く関わっています。スマートフォンの小さな画面をのぞき込む動作は、デスクワーク同様、頭が前に突っ込んでいるような体勢になってしまいます。
    長時間、同じ姿勢のままで過ごさないよう、意識的にスマートフォンのスイッチを切り、触らない時間をつくることも大切です。

    スマートフォンの使いすぎ スマートフォンの使いすぎ
  3. うつむきながらの家事

    掃除機をかける、料理をするといった家事は、自然と前かがみでの作業が多くなっているものです。作業に没頭するほど、いつの間にか頭が前に傾けた状態が続き、ストレートネックの原因になります。家事に追われる方ほど、ストレートネックに悩まされることが多いのではないでしょうか。
    家事をする際には、ずっと前かがみにならないように意識したり、休憩タイムをはさんだりするのがおすすめです。

    うつむきながらの家事 うつむきながらの家事
  4. 長時間の車の運転

    車の運転についても、集中することでいつの間にか頭が前に傾いているような姿勢になりがちです。ハンドルを握っている時間が長いほど、ストレートネックになりやすいと言えます。
    長時間ドライブをする際には、アラームを利用して強制的に休憩をとり、姿勢を正しく戻したり、身体をほぐしたりするようにしましょう。

    長時間の車の運転 長時間の車の運転

引用:「ストレートネック解消マニュアル 著:柴雅仁」P24~29

毎日コツコツと続けたい
ストレートネック(スマホ首)の改善法

今すぐにでもなんとかしたいストレートネック。
違和感や症状は人それぞれですので、ご自分にあった治し方を探って、ぜひ続けてみましょう。

  1. 1.ストレッチを続ける

    【上腕胸椎をほぐすストレッチ】

    上腕胸椎をほぐすストレッチ 上腕胸椎をほぐすストレッチ

    気になる症状があるときには、無理にストレッチを続けないようにしてください。無理をすると間違った動きになり、ストレートネックの悪化につながってしまいます。ストレッチは一度に多くの回数を行うのではなく、少しの回数を毎日続ける方が効果的とされています。

  2. 2.枕をこまめに調整する

    枕が自分にぴったりと合うように調整することで、寝姿勢のときの首の負担が軽減しやすくなります。枕は、バスタオルを何枚が重ねて高さや寝心地を調整したり、定期的に枕の素材がへたっていないか確認したりしましょう。
    背骨のどこにも負担がかからない状態で寝姿勢を取れることで、余計な筋肉の緊張を緩和することにつながります。

  3. 3.姿勢サポートベルトを身につける

    ストレートネックを早く改善したいと思っていても、常に良い姿勢を心がけて続けることは、想像以上に大変です。そこで、姿勢をサポートしてくれるグッズを使うのは良い方法。例えば、姿勢をサポートしてくれるベルトを身につけることで、姿勢に意識が向き、良い姿勢を続けやすくなるはずです。ぜひ、ご自分に合った姿勢サポートアイテムを探してみましょう。

引用:「ストレートネックを自分で治す1分間の魔法の習慣 著:立林幸汰」P22~40

【まとめ】
姿勢を意識し、ストレートネック
(スマホ首)からの
緩和を目指す!

パソコン、スマートフォンが当たり前の現代では、無意識のうちに悪い姿勢を続けてしまい、ストレートネックに悩む人が多くいらっしゃいます。悩みや違和感が出てきた時には、すでに進行している場合がみられますが、諦めずに原因を探るとともに、S字姿勢を意識して続けるようにしてみてください。日々のなかで小さな改善やセルフケアを行うことで、ご自分に合った治し方、改善方法がみつかるはずです。

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