本記事では、手軽に取り組めるストレートネックの改善方法を紹介しています。
ストレートネックの改善には首にかかる負担を減らすことや、筋肉の緊張を取り除くことが大切です。
姿勢を改善するためのポイントや、手軽に取り組めるストレッチもまとめています。ぜひ参考にしてください。
ストレートネック(スマホ首)とは?
ストレートネックとは、首の骨(頸椎)が本来持つ自然なカーブが弱くなり、頭が身体よりも前に突き出た姿勢を指します。
本来、人間の頸椎は緩やかにカーブしています。
これは、4~6kgあるとされる頭の重さを分散させながら支えるために必要な形状です。
しかし、ストレートネックでは、日常生活の姿勢などが影響し、頸椎がまっすぐに近い状態となった結果、頭の重さが分散されにくく、首や肩に負担がかかりやすくなる傾向があります。
ストレートネックによる不調
ストレートネックによる不調の代表は、首の痛みや首こりです。
まっすぐに近い状態になった頸椎では、頭の重さを分散できず、首周辺の筋肉で支え続けることになります。
常に筋肉が緊張して硬くなり、血流が悪化することで、慢性的な痛みやこりが生じます。
首周辺の筋肉の緊張は、首とつながっている肩や背中の筋肉にも広がり、肩こりや背中の痛みにつながることがあります。
また、頭痛もストレートネックによる姿勢の乱れが関係することがあります。首まわりの筋肉(後頭下筋群など)が緊張しやすい状態になると、首から頭へかけて血流が滞ったように感じられることがあります。
その結果、頭全体が締め付けられるような感覚を伴う、緊張型頭痛のような症状を感じる人もいます。
ストレートネックのセルフチェック方法
ストレートネックは、道具を使わず簡単にセルフチェックする方法があります。
本記事では、すぐに実践ができる仰向けテストと、壁立ちテストをご紹介します。
首こりや頭痛で悩まされている人はもちろん、症状が出ていない人も自分の首の状態をチェックしてみましょう。
ただし、セルフチェックは姿勢の傾向を確認する目安のひとつです。
違和感や痛みが続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。
仰向けテスト
仰向けで寝るだけでストレートネックのセルフチェックができます。
まずは、できるだけ硬くてフラットな場所で仰向けになります。このとき、顎が上に突き出る、首が詰まるような感覚がある場合はストレートネックの疑いがあります。
壁立ちテスト
後頭部が壁に付くかでストレートネックをチェックする方法です。
まず、壁の前に背を向けて立ちましょう。かかと・お尻・肩甲骨を壁にぴったりと付けた状態で後頭部が付けばストレートネックの可能性は低いです。
首や背中に痛みや違和感が出る場合は、ストレートネックの疑いがあります。
ストレートネックの原因
ストレートネックは、うつむき姿勢で首の筋肉が過度に緊張し、頸椎の自然なカーブが失われる原因で起こります。
特に、デスクワーカーや、ドライバーなど長時間同じ姿勢をとり続ける職業の人や、スマートフォンの利用時間が長い若年層に多い傾向です。
日常生活の中で無意識に行っている習慣が大きな原因となりますが、なかでも代表的な原因として考えられる「スマートフォン・パソコンの長時間使用」と「合わない枕の使用」について紹介します。
ご自身に該当する原因がないか、チェックしてみてください。
スマートフォンやパソコン使用時の
うつむき姿勢
ストレートネックの原因としての代表的なものは、スマートフォンやパソコン使用時のうつむき姿勢です。
頸椎(首の骨)は、前に緩やかにカーブしており、4~6kgある頭の重さを分散させながらバランスを保っています。
しかし、うつむき姿勢になると頭の重心が前へ移動し、通常4~6kg程度の頭の重さが、30度傾くと約18kg相当、60度傾くと約27kg相当の負荷がかかる(1)とされています。
大きな負荷が毎日のようにかかると、首まわりの筋肉が次第に硬くなり、頸椎がまっすぐに近い状態で固まってしまうため、ストレートネック(スマホ首)に影響することがあります。
(1)参考:Kenneth K. Hansraj「頭部の姿勢と位置による頸椎のストレスの評価」Surgical Technology International, 25巻, 2014年
合わない枕の使用
合わない枕を長期間使用することでストレートネックの原因になる場合があります。
特に、高すぎる枕は要注意です。
枕が高すぎると、スマートフォンやパソコンの使用時のように、うつむき姿勢になります。
この姿勢が続くと、本来は筋肉や軟部組織を休めるはずの時間がかえって首や肩に負担がかかりやすい状態になり、ストレートネックと呼ばれる姿勢の傾向につながることがあります。
ストレートネックの改善方法
ストレートネックを改善するためには、首にかかる負担を減らすことや、筋肉の緊張を取り除くことが大切です。
そのためには日々の姿勢の見直しや、筋肉の緊張をほぐすストレッチなどによりストレートネックの改善が期待できます。
以下では、具体的な改善ポイントを紹介します。
スマホ利用時の姿勢改善
ストレートネックの改善にはスマホ利用時の姿勢改善が欠かせません。
理想の姿勢は、椅子に座り、スマホ画面と顔の距離を30cm離した姿勢です。
椅子に座る際は、深く座り背筋が軽く伸びた状態を意識します。
その姿勢のままスマホを顔から30cm離した状態で使用すると、首に負担がかかりにくくなります。
スマホ画面から目を離して、こまめに休憩をとりながら使用してください。
デスクワーク時の姿勢改善
デスクワーク時の姿勢改善もストレートネックの改善のために重要です。
理想の姿勢は、椅子に正しく座り、ディスプレイを目から40cm以上離し、画面の上段部分を目の高さの位置に合わせた姿勢です。
椅子に座る際は、深く座り、足の裏が地面にしっかりとつく高さに椅子を調整しましょう。
デスクワーク時でも同じ姿勢での長時間の作業は避け、1時間に1回は休憩をとるようにしましょう。
長時間の車の運転時の姿勢改善
長時間の車の運転が多い方は、運転中の姿勢を改善しましょう。
座席に座る際は、背もたれと腰に隙間が出ないよう深く腰かけましょう。
どうしても腰に隙間が出るときはクッションなどを当てるのも有効です。
次に、背中と背もたれの間にも隙間が出ないよう背もたれの角度を調整してください。
ヘッドレストは頭の中央にくるよう高さを調整すると正しい姿勢で運転ができます。
ただし、長時間の運転はどうしても首に負担がかかってしまうため、1時間おきに休憩をとりましょう。
枕の見直し
首や肩への負担を感じにくい環境づくりの一環として、枕の見直しもおすすめです。
枕で重視したい点は適切な高さです。
一般的には「仰向けで寝たときに首の自然な前弯が保たれ、顎が上がりすぎず下がりすぎない高さ」が目安とされています。
また、反発性が高く寝返りがうちやすい枕もおすすめ
です。
寝返りは、同じ姿勢が続くことを防いでくれるため、頸椎や周囲の筋肉の負担を減らし、ストレートネックの改善にも役立ちます。
ストレッチによる改善
ストレートネックの改善にはストレッチによるケアがおすすめです。
デスクワークやスマホ操作で下を向いた姿勢が長時間続くと、首まわりの筋肉が過度に緊張しやすくなります。
そのため、適度なストレッチを含むセルフケアで筋肉の緊張をこまめに取り除くことが大切です。
具体的におすすめなストレッチ方法は次の章でご紹介し
ます。
ストレートネックをケアするストレッチ
ストレートネックのケアにはストレッチの習慣化が効果的です。
特に、胸鎖乳突筋などの首まわりの筋肉や、ストレートネックの関節的な要因になる巻き肩に関係する大胸筋などの筋肉を中心にケアをすると良いでしょう。
ストレートネックのケアは一朝一夕では効果が出ないため、手軽で継続しやすいストレッチを厳選して紹介します。ぜひ実践してみてください。
胸鎖乳突筋のストレッチ
ストレートネックのケアには、胸鎖乳突筋のストレッチを取り入れましょう。
ストレートネックは、頭が前方へ突き出たような姿勢になるため、首の前側(胸鎖乳突筋)が突っ張り硬くなってしまいます。
そのため、定期的にストレッチを実施し、緊張を解く必要があります。
ストレッチの際は、鎖骨を下げながら首を伸ばして、引っ張り合う意識をすると効果的に胸鎖乳突筋を伸ばせます。
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1.
右の鎖骨に両手を重ねて置きます。
-
2.
首を左に傾げながら顔を「左斜め上」に向けます。
このとき両手で軽く右の鎖骨を押し下げます。
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3.
首の右前が伸びるのを感じたら20秒キープ。反対側も同様に3セット行います。
後頭下筋群のストレッチ
ストレートネックのケアには後頭下筋群のストレッチも重要です。
後頭下筋群は、首と頭蓋骨の境目に位置する筋肉です。
ストレートネックで頭が前に出ている人は、前を見るときに顎が上がり、首の後ろが詰まった状態になってしまい、後頭下筋群が硬くなる傾向があります。
そのため、首から頭蓋骨の境目を伸ばすストレッチをして緊張を解きほぐす必要があります。
ストレッチの際は、頭を下げるよりも顎を引く意識をすると後頭下筋群をうまく伸ばせます。
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1.
正面を向き、指2本をあごの先端に当てます。
(壁の前に立つと姿勢がキープしやすいです) -
2.
目線は前を見たまま、指であごを喉の方へ水平に押し込みます。
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3.
首と頭の境目あたりに伸びを感じたら10秒キープ。
3~5セット行う。
大胸筋のストレッチ
ストレートネックのケアには大胸筋のストレッチも効果的
です。
大胸筋は主に巻き肩の改善に用いられるストレッチですが、ストレートネックのケアにも役立ちます。
ストレートネックと巻き肩が同じ原因で起こりやすいためです。
前かがみの姿勢が続くと、胸の筋肉(大胸筋)が縮んで硬くなり、肩が内側に巻き込まれます。
この状態が続くことで、連動して首も前に出やすくなり、ストレートネックへとつながっていきます。
そのため、大胸筋をほぐして巻き肩を改善することが、ストレートネックのケアにもつながります。
ストレッチの際は、鎖骨の下あたりの胸筋の伸びを意識しましょう。
痛みを感じるまで無理に伸ばす必要はありません。
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1.
壁の横に立ち、片手を肩の高さまで上げて壁につける。
-
2.
手を壁につけたまま上体をゆっくりと壁と反対向きにひねる。
-
3.
鎖骨の下~わきの前あたりの胸筋に伸びを感じたら30秒キープ。
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4.
1の状態に戻り、息を吸いながら背伸びをするように腰を伸ばす。
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5.
1~3を2~3セット行う。
僧帽筋のストレッチ
僧帽筋のストレッチもストレートネックケアに効果的
です。
首から背中にかけて大きく広がる僧帽筋は、デスクワークやスマホ使用による前かがみの姿勢で硬くなる筋肉の代表格です。
僧帽筋が硬くなると、肩甲骨が開き、肩が前に巻き込まれる巻き肩のリスクが高まることで、ストレートネックにつながりやすくなるため、僧帽筋をほぐすストレッチが重要です。
ストレッチの際は手を動かすことよりも、肩甲骨を寄せる意識を強く持つことが大切です。
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1.
椅子に座り、脇を締めた状態で手のひらを上にして前に出す。
-
2.
脇を締めたままの状態で、両手を外方向へ広げる。
※ひじを起点にして両手を外側に回すイメージで行いましょう。
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3.
1~2を10回×2~3セット行う。
肩甲挙筋のストレッチ
肩甲挙筋のストレッチもストレートネックのケアには欠かせません。
首の側面から肩にかけて広がる肩甲挙筋は、重い頭を支えるため常に緊張している筋肉です。
この部分が硬くなると、肩がすくみ、首が前に出るストレートネックや巻き肩の姿勢につながるため定期的なストレッチが大切です。
ストレッチの際は、肩を下げる意識を持つと効果的に肩甲挙筋が伸ばせます。
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1.
片方の手を頭の反対側に置き、首を横に引っ張るようにして横に倒す。
※反対の手は、ひじを曲げておきましょう。 -
2.
曲げたひじを下げるようなイメージで、肩甲骨を身体の中心に寄せる。
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3.
下げた腕を今度は上にあげ、体側を伸ばすようにして身体を横に倒す。
※このとき、首を更に傾けるようなイメージで横に倒しましょう。
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4.
1~3を10回×2セット行う。
まとめ
本記事では、ストレートネックと呼ばれる姿勢の特徴や、その状態でみられることのある不調について解説し、改善方法として姿勢見直しのポイントやストレッチ方法を紹介しました。
ストレートネックを改善するためには、日々の姿勢改善が重要となります。
良い姿勢を習慣化するために、簡単に取り組めることから始めてみましょう。






