猫背の原因には、スマートフォンやパソコンを見る際に前かがみの姿勢を長時間続けることで、背中を丸めた姿勢が習慣化することが挙げられます。
また、姿勢を支える筋肉の筋力低下や筋持久力の低下も、猫背を引き起こす原因の一つです。
本ページでは、猫背の原因を解説し、猫背を改善するストレッチや正しい姿勢を支え続けるための筋力づくり、背中が丸まらないための改善方法を紹介します。
ぜひ、最後までご覧いただき、猫背改善にお役立てくだ
さい。
猫背の原因とは
猫背とは、その名前のとおり背中が猫のように丸まった姿勢を指します。
本来、背骨は頸椎(首)の前弯・胸椎(胸)の後弯・腰椎(腰)の前弯という自然なS字カーブ(生理的弯曲)が備わっており、このカーブが体への負担を分散させる役割を担っています。
しかし、猫背では、背骨の自然なS字カーブが乱れ、頭が前に突き出して肩が内側に入りやすい姿勢になります。
猫背になる原因としては、スマホを見る姿勢や、姿勢を支える筋肉の筋力の衰え、筋持久力の低下が挙げられます。
デスクワークやスマートフォンの長時間使用では、頭が前に出て背中が丸まりやすい状態になります。
成人の頭部は約4~6kgの重さがあり、頭が前に出るほど首や背中への負担は大きくなります。
この姿勢が毎日何時間も続くことで、背中が丸まり胸椎の後弯が強くなり猫背姿勢の一因となります。
また、脊柱起立筋・菱形筋・僧帽筋中下部といった背中の筋肉や、腹横筋などの体幹のインナーマッスルの機能が低下すると背骨を正しい位置に保ちにくくなり、背中が丸まりやすくなります。
猫背は、見た目の問題だけではなく、さまざまな不調にもつながります。
例えば、頭が前に突き出した姿勢では首や肩の筋肉が常に緊張した状態になり、肩こりや首の負担が増え、頭痛につながる場合もあります。
また、背中が丸まることで胸郭が圧迫されて呼吸が浅く感じられる場合があります。
見た目の問題でも、背中が丸まることで暗い印象を与えてしまう他、姿勢の影響でバストが下がって見えるなど印象やスタイルにも影響を及ぼします。
猫背を改善するストレッチ方法
猫背の改善には、硬くなった筋肉の柔軟性を取り戻すストレッチも重要な要素のひとつです。
特に、胸椎まわり・肩甲骨まわり・大胸筋は猫背によって動きが悪くなりやすい部位で、これらの柔軟性を向上させることで背骨が伸びやすく正しい姿勢を保ちやすい状態になります。
背伸びストレッチで胸椎全体の可動域を広げ、肩甲骨ストレッチで肩甲骨まわりを動かしやすくし、大胸筋ストレッチで前方に引き込まれた肩を開くという3つのアプローチを組み合わせることで、より効率的に取り組めます。
以下で、それぞれのストレッチの方法と意識するポイントを紹介します。
背伸びストレッチ
背伸びストレッチは、両手を頭上に伸ばしながら背骨全体を上方へ引き伸ばすストレッチです。
猫背によって硬くなった胸椎の可動域を広げ、背骨が自然に伸びやすい状態をつくることが期待できます。
脊柱起立筋や広背筋など背中の筋肉を心地よく伸ばし、胸椎や胸郭を動きやすくすることで、正しい姿勢を保ちやすいコンディションづくりに役立ちます。
簡単な動作のため運動初心者の方でも実践しやすく、スペースも取らないためデスクワークの合間などにも手軽に実践できます。
意識するポイントは、腰を反らせずに背骨全体を伸ばすことです。
両手を頭上に上げるときに腰が反りやすくなるため、お腹に軽く力を入れて骨盤が前傾しないよう意識しながら行いましょう。
頭頂部が天井に向かって引っ張られるイメージで、首から腰まで一本の軸として伸ばすことがポイントです。
-
1.
椅子に座った状態で、背伸びをするイメージで両手を頭の上まで上げる。
-
2.
ひじを曲げ、肩甲骨を背骨に近づけるようなイメージでひじを下ろす。
-
3.
1~2を10回×2~3セット行う。
肩甲骨のストレッチ
肩甲骨ストレッチは、肩甲骨を背中の中央に引き寄せる「内転」の動作を意識的に取り入れたストレッチです。
猫背の姿勢では肩甲骨が外側に開く「外転」の状態が慢性化しており、僧帽筋中下部や菱形筋が引き伸ばされる一方で、前方の大胸筋や小胸筋など胸の前面の筋肉が硬くなりやすいと考えられています。
肩甲骨ストレッチは、肩甲骨を意識的に内転させることで、外転に偏った肩甲骨まわりの筋肉バランスを整え、猫背で前方に引き込まれた肩の位置を整えやすくする効果が期待できます。
意識するポイントは、ストレッチのなかで脇が開かないようにすることです。
脇が開いてしまうと肩甲骨が十分に寄せられず、動かしにくくなります。
脇をしっかり締めたまま肩甲骨を軽く後方へ動かし、胸を開くイメージで動かしましょう。
最初は十分に動かせないと感じる方も多いですが、継続して取り組むことで肩甲骨の可動域が向上して動かしやすくなります。
-
1.
椅子に座り、脇を締めた状態で手のひらを上にして前に出す。
-
2.
脇を締めたままの状態で、両手を外方向へ広げる。
-
3.
1~2を10回×2~3セット行う。
大胸筋のストレッチ
大胸筋ストレッチは、壁に片手をついて体をひねることで大胸筋を伸ばすストレッチです。
猫背の人は、胸にある大胸筋と呼ばれる筋肉が硬くなっていることが多く、この硬さが肩を前方へ引き込んで巻き肩のような姿勢になり背中を丸める要因となります。
大胸筋ストレッチは、大胸筋・三角筋前部・小胸筋を効果的に伸ばすことで、胸まわりの柔軟性を高めて、肩の前方へ引き込まれる状態を和らげ、胸を開きやすくし猫背改善に役立ちます。
意識するポイントは、壁につく手の高さです。ひじを肩の高さと同じくらいに合わせると大胸筋中部に、ひじを肩より高く上げると大胸筋上部に強くストレッチをかけることができます。
体をひねる際は腰をひねるのではなく、胸から開くイメージで行うことで大胸筋へ効きやすくなります。
左右それぞれ20~30秒キープを目安に、呼吸を止めず行いましょう。
-
1.
壁の横に立ち、片手を肩の高さまで上げて壁につ
ける。
-
2.
手を壁につけたまま上体をゆっくりと壁と反対向きにひねる。
-
3.
鎖骨の下~わきの前あたりの胸筋に伸びを感じたら30秒キープ。
-
4.
1~3を2~3セット行う。
背中が丸まらない姿勢を身につける
日常生活のなかで背中が丸まらない姿勢を身につけることも猫背改善には欠かせません。
猫背の解消を目指すためには、正しい姿勢を理解したうえで、スマートフォンやパソコンの使い方や生活環境を整え、背中が丸まりにくい生活環境をつくることが大切
です。
正しい姿勢の基本は、背骨の自然なS字カーブ(生理的弯曲)を保つことです。
耳・肩・股関節・くるぶし付近が横から見て一直線に並ぶ状態が理想的な姿勢です。
スマートフォンを使う際は、端末をなるべく目の高さに近づけて持つことで頭が前に傾くことを防げます。
パソコン作業では、モニターの上端が目の高さと同じかやや低い位置になるよう調整しましょう。
モニターが低すぎると視線が下がり、頭が前傾しやすくなるため、ノートパソコンを使用している方はスタンドの活用が
おすすめです。
また、キーボードやマウスを体に近づけることで、腕を前に伸ばした姿勢での作業が減り、肩まわりの負担を軽減できます。
正しい姿勢を常に意識するのが難しいと感じる方は、姿勢改善をサポートするアイテムの活用も検討してみまし
ょう。
例えば、着用することで胸を開き、肩甲骨を内側に引き寄せる姿勢サポーターや、座面が前に傾斜し骨盤を立てやすい姿勢サポートチェアを取り入れることで、猫背になりにくい環境づくりにつながります。
丸まった背中を伸ばす筋力をつける
猫背の改善には、正しい姿勢を支え続けるための筋力をつけることも重要な要素です。
正しい姿勢を維持するための筋持久力や体幹機能が十分でないと、元の猫背に戻ってしまいます。
特に脊柱起立筋・多裂筋などの背筋群と、腹横筋を中心とした体幹のインナーマッスルを鍛えることが重要です。
以下で、自宅で道具なしに取り組める効果的なエクササイズを2つ紹介します。
バックエクステンション
バックエクステンションは、うつ伏せの姿勢から上体を床から引き起こす動作で脊柱起立筋・多裂筋・殿筋群を効果的に鍛えるエクササイズです。
猫背の人は、背筋が弱くなり、背骨を支えて正しい位置に保つ力が低下している方も少なくありません。
バックエクステンションは、これらの筋肉を強化することで、背骨が伸びた正しい姿勢を維持しやすい身体づくりにつながることが期待できます。
道具が不要で手軽に実践できるため、筋トレ初心者の方でも取り入れやすいエクササイズです。
意識するポイントは、上体を引き起こすときに首だけが上がらないようにすることです。
首から背中まで一枚の板のように体全体を引き上げることで、脊柱起立筋全体に効果的に負荷をかけられます。
また、上げすぎると腰への負担が強くなるため、体が一直線になる程度の高さを目安に上げましょう。
10回×3セットを目安に実践してください。
-
1.
うつ伏せになり、両手を頭の後ろで組みます。
-
2.
反動を使わず、ゆっくりと無理のない範囲で上体を起こします。
目線は前へ、息をゆっくりと吐きながら上体を起こしましょう。
-
3.
1~2を10回×2~3セット行う。
プランク
プランクは、前腕とつま先で体を支えて姿勢をキープする体幹トレーニングです。
腹横筋・多裂筋といったインナーマッスルにアプローチでき、脊柱起立筋や腹直筋・腹斜筋なども鍛えることができます。
猫背の要因のひとつとして、体幹機能の低下により背骨を適切な位置に保ちにくくなることが考えられています。
プランクでこの筋肉群を継続的に鍛えることで、正しい姿勢を維持しやすい身体づくりにつながることが期待でき
ます。
フォーム自体の難易度が高くないため、運動初心者の方でも実践しやすいエクササイズです。
意識するポイントは、体が一直線になるフォームをキープすることです。
お尻が上がりすぎたり腰が落ちたりすると狙った筋肉に十分な負荷がかかりにくくなります。
頭からかかとまでが横から見て一直線になるポジションを保ちながら、まずは30秒のキープを目標に取り組んでみましょう。
-
1.
うつ伏せの状態から両ひじを床につける。
-
2.
腰を浮かせてつま先を立て、横から見ると一直線になるように姿勢をキープする。
-
3.
2の姿勢を20~30秒キープ×2~3セット行う。
まとめ
本記事では、猫背の原因と改善のためのストレッチ、エクササイズを紹介しました。
猫背は、長時間の不良姿勢と筋力の低下によって引き起こされることが多く、適切なアプローチを継続することで改善を目指せます。
背伸びストレッチ・肩甲骨ストレッチ・大胸筋ストレッチで硬くなった筋肉をほぐしながら、バックエクステンションとプランクで姿勢を支える筋力を鍛えてあげると効果的です。
同時に、スマートフォンやパソコンの使い方・作業環境の見直しも並行して取り組むことで、より姿勢を整えやすくなります。
専用のアイテムも必要に応じて取り入れることで、無理なく姿勢を意識する習慣づくりに役立つ場合があります。
継続して取り組んでいきましょう。






